アーティストの手から創り出される新しい景色、感覚、解釈。
ときに不可解で、ときにユーモラス。
コラージュは、あらゆる世界のイメージを切り取り、1つの画面に引き込み、組み合わせ、
新たに創造する繊細でダイナミックな表現技法。
本展示『コラージュ展2019ver.』(会期:7/14〜8/10)には、コラージュの多様な魅力を表現する19組の作家が集まりました。
本ブログではスペース E-13〜19の作品を紹介!
コラージュの魅力と可能性に迫る展示会場の風景をレポートします。
◎展示レポートvol.1(スペース E-1〜6)はこちらから
◎展示レポートvol.2(スペース E-7〜12)はこちらから
スペースE-13: yama_collage
展示風景yama_collageさんの展示作品は、要素の新鮮な組み合わせや、平面に縛られない手法、画面を限定したものからしないものまで、コラージュという表現でのさまざまな試みを感じさせるものが揃えられている印象です。
人影を構成する無数のハサミの切り抜きは、狂気的なイメージを生み出すとともに、
正面から表現に対峙する作家の強い姿勢も感じさせます。
小さなスクエアのなかに顔をのぞかせた世界たち。
どれも絶妙なバランスで成り立った詩的な風景には、自身で撮影した写真も要素に取り込まれています。
コラージュ制作とは別にyama_collageさんが長く続けている書道とも相通ずる平面全体に行き届けられた意識を感じられます。
instagram @yama_collage
スペース E-14: アカマナツ
展示作品一部
さまざまな写真を組み合わせ生み出された作品シリーズが展示。
アカマナツさんが撮影した裸婦像は、掠れ方、ぼやけ方など、
その作品の表情にこだわりが感じられます。
さまざまな個々のイメージが作家の手により組み合わされ、
1つのイメージと変化する化学反応をぜひ会場で体験してください。
モノクロの裸体、静かながら艶やかな視線、そしてトロピカルな鳥たち。
それらが「間一髪」な位置を取りながら成立させた画面は、
ここにしかない幻想的な空間を観るものに伝えます。
ありのままの人間の身体は、作家のファインダーを通し、
万物のイメージとコラージュされるなかで、アート世界のなかで新たに生まれ変わります。
プロフィール
服飾専門学校服飾造形学科卒業後、服や布のアクセサリーを作り販売を始める。作品撮りの為に一眼カメラを手に入れたら、写真で自分の世界が作れることに面白さを感じ、現在に至る。
展示コンセプト
今回の展示では、古雑誌からの切り抜きアートと私自身が撮影した写真の切り抜きを合わせたコラージュを作ってみました。
https://www.instagram.com/natsu.akama/?hl=ja
スペース E-15: yutaka wada 『We are the youth!!!!』
展示風景展示スペースに登場した1輪の花。
『We are the youth!!!!』という名を掲げたその花は、
ストリートに転がった空き缶から力強く咲いているようです。
潔くも心細そうで、それでいて堂々とした姿は
タイトルどおり若い生命を感じさせるものです。
その葉脈は何かを語っていました。
スペース E-16: 田島浩司 『pieces』
展示風景田島浩司が取り組む連作より今回4点が展示されています。
作品から発せられるエネルギッシュなイメージ。
画面は層になっていることが分かります。
上層は、色彩の爆発の衝撃とは対照的に、繊細に切り抜かれたものです。
宇宙的な広がりから内面的な機微までを感じさせるシリーズ。
ぜひ作家の表現世界に会場で出会ってください。
プロフィール
都内公募展入選履歴有り
都内個展開催履歴有り
活動内容
都内を中心に活動させていただいております。
主に創作を中心に制作しております。
展示コンセプト
『パラダイム・シフト』の最終作。
スペース E-17: 寺坂泰則
展示風景1点の大型作品と画集、ポストカードが展示されています。
作家が「アドリブ」と呼ぶ制作過程では、幾層にも重なった画面が、
煮詰めきったような重厚な表情をみせています。
今作の制作には表面をバーナーで焼く行為も含まれたとのこと。
深度をもった画面のあちこちから無数にきらめく信号を見逃さないでください。
偶然を生み出しつづけるため制作を重ねる作家によって、
ついにその画面に定着した要素たち。
「読み応えのある」画集もぜひ手にお取りください。
プロフィール
- 2008年3月
東京工芸大学芸術学部 デザイン学科卒業
- 2017年4月30日〜5月6日
デザインフェスタギャラリー原宿「アドリブコラージュ展」個展
- 2017年8月18日〜20日
浅草橋ヒューリックホール「Independent 東京」出展
- 2017年8月25日〜27日、10月6日?8日
デザインフェスタギャラリー原宿 「ART ROOTS FESTA」出展
- 2017年10月31日〜11月5日
埼玉近代美術館「ZEN展」出展
- 2017年11月15日〜20日
Ashok Jain Gallery(N.Y)「Independent ニューヨークグループ展」
- 2018年1月21日〜1月27日
Art&Spaceここから「Life is COLLAGE展」
- 2018年1月21日〜2月17日
デザインフェスタギャラリー原宿「コラージュ展」
- 2018年4月3日〜4月8日
銀座大黒屋ギャラリー「ZEN展」銀座選抜展出展
- 2018年7月7日〜7月22日
THE blank GALLERY「RAW and PRIMITIVE」出展
活動内容
テーマを決めずアドリブ感覚で作りためたコラージュ作品を
「アドリブコラージュ」と名付けて制作しています。
ひたすら手が動くに任せて雑誌を貼り込み、絵の具を塗り
込む作業を繰り返し続けると思いもよらない物が出来上が
って自分でびっくりする。そんな楽しみで毎回作っています。
スペース E-18: Michael Roberts & kzkz ozoni
展示作品一部Michael Robertsさんとkzkz ozoniさんによる共同出展。
コラージュの宇宙に浮かぶのは可動式の半球体。
作家のハッピーなセオリーが作品から伝わるようです。
画面から突如飛び出た枝葉の裏にのぞく顔。
精一杯に究められた作家の遊び心が感じられます。
作品に氾濫するイメージは軽やかに繋がっていてポップな印象。
観る者を思わず楽しくさせてくれます。
ぜひ会場でご覧ください。
プロフィール
Michael Roberts and kzkz ozoni met in a very combustible hose in Nezu. Michael Roberts skips his duty of cleaning and gets punished by the landlord. kzkz ozoni once got scolded at by the landlord because he plays otamatone at night.
instagram kzkz_ozn
instagram weendoots
スペース E-19: 佐藤清 『最低の少し前』
展示風景平面作品2点とブックが展示されています。
スピード感あふれる筆跡に、擦った跡。
ゆがみ、たわみ、かさなる面。
異種混合なマテリアルを引き込んだ力強さが魅力的です。
ブックにはポエムが収録。
フレーズの破片を繋げて綴る行為はまさにことばのコラージュ。
新鮮な余韻が残ります。
販売もされています。ぜひお手にとってお読みください。
プロフィール
巨乳好きのイケメンです。
展示コンセプト
頭の中で止まらない誰かとの会話や、タイムラインを流れるどうでもいい情報、ほとんど叫び声、好きな絵や人について。
童貞のポエミーコラージュブック
http://www.instagram.com/kiyoshi4kun
開催概要
企画展名 : コラージュ展 2019ver.
開催日時:2019.7.14(日) 〜 8.10(土) 11:00〜20:00
*会期中無休
開催会場:DESIGN FESTA GALLERY EAST アートピース
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-20-2
お問い合わせ
DESIGN FESTA GALLERY
TEL : 03-3479-1442 (OPEN 11:00 - 20:00)
E-mail : info@designfestagallery.com [お問合せフォーム]
ご質問等はお気軽に上記までお問い合わせください。