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原宿なのに激安なオシャレギャラリーが、カオスすぎて丸1日いられる楽しさ【デザインフェスタギャラリー体験レポート】


「自分の作った制作物で、作品展をやりたい!」
と思っても、なかなか実現できないことがある。

その理由として、時間がない、やる気がないといった言い訳はもちろんのこと、貸ギャラリーの値段が高かったり、アクセスが悪かったり、自分の作品の雰囲気に合わなかったりするケースもある。

もっと安くて、アクセスが良くて、あわよくばオシャレなギャラリーがあれば、個展やグループ展も開催しやすいのに。 

今回は、そんな皆さんの期待に応えられるギャラリーを紹介したい。




原宿駅竹下口から徒歩7分、「デザインフェスタギャラリー」である。

明治通りから1本横の小道に入り、こじゃれたアパレルショップや雑貨店、カフェが混在した道を抜けたところ、一際目立った外観で佇むのが当ギャラリーだ。



内観はこれから紹介するとして、まず、このギャラリー、立地もオシャレさも最高なのに、とにかく利用料が安い。

4.8平米の1室が1日5,400円、少数の作品展示なら1日540円から借りることができる。(価格と広さについての詳細はコチラを確認いただきたい)

「は? 安すぎじゃない? 原宿でしょ? 若者文化の発信地じゃないの??」と疑問に思ったので、運営している方に聞いてみたところ、返ってきた答えも素晴らしすぎた。


「この物件のオーナーは不動産業を営んでいるんですけど、『若い人が自分の作品を発信できる場をつくりたい』と言って、利益を度外視してこの場所を作ったんです」

なるほど、素敵だ。

east料金表

west料金表

この安さだったら、ちょっと頑張れば学生にだって個展を開ける。
実際、筆者がロケに伺った日も、学生の卒業展示などが多数見られた。安くて、ダサくなくて、立地もいい。都内でもなかなかないギャラリーであることを伝えたいので、ここからは3月某日の同会場の様子をお伝えしたい。


大小74のスペースで、毎日が大展覧会



1998年に完成し、今年で20周年を迎えた同ギャラリーは、現在EASTとWESTふたつの連
なる建物で合計74のスペースを有している。

しかも展示にあたって審査がないとのことだから、アートやデザインの領域を超えなければ、どんな個展・グループ展を開いてもOKなカオスっぷりであり、毎日がちょっとした大展覧会のような騒ぎだ。


さっそく会場に入ってみる。この日も、全室で展示が行われているとのこと。



各部屋に、個性豊かな作品が展示。
この日は絵画が多い印象だったけれど、


折り紙アートや、



雑貨もあって、販売しているものも多数あった。
(これは缶バッチ。一目惚れして買ったけれど、どこに付けるか未だに悩んでいる)


あとは写真の展示も多い。
Web上ですべて完結するのもいいけれど、たまにはリアルで大きく現像されたものを見るのも、悪くない。


部屋によって、作品数はさまざま。ぎっしり埋められていると、いつまでもその場にいられそうな気がする。


今回とくに気に入ったのは、この作品。よく見ると、物凄い数のネコがネコネコしている。


描いたのは、OCHANさん。今回でデザインフェスタギャラリー2回目の展示とのこと。




 「さっき、この壁紙アートが売れたんです」



 「え! こんな大きい作品を買う人、いるんですか?」



 「オーストラリア人の女性でした。その人もアートを描いているらしくて」

 「オーストラリア! たしかに、外国のほうがアートに対するサイフの紐が緩いイメージあるもんなあ」

 「僕も、この作品は売る気がなかったんですよ。でも「欲しい!」って言われて、その場で値付け交渉でした」

 「そんなやりとりがあるのも、この場所ならではかもしれないですね。 すごいなあ……」



当ギャラリーの来場者のうち、外国人観光客は35%を超えるというから、海外にも届きやすいのだろう。アートやデザインは、言語の壁を軽々越えていくことを実感できた。(OCHANさんの作品も、前回展示したときよりかなりたくさん売れたらしかった。すごい)

アパレルや映像作品もアリ! なんでもできるぞデザフェスギャラリー


WEST館を出ると、敷地内にあるもうひとつのギャラリーEAST館へ。


こちらの1階は道路に面しているので、路面店のようにブースを設けることができる。
この日はアパレルの展示・販売があった。


部屋も、WESTより広め。学生たち数名が卒業展示などで使用していた。
(部屋のレンタル代を人数で割り算したら、広めの部屋でも個々人の負担は小さく済みそうだと思った)


中には映像制作の展示をしている人もいた。(めちゃくちゃ幻想的で、2回見た)


EASTは中階段もあって、それがまたオシャレ。もうずっとオシャレ。



「卓上セーブポイント」なるものも、売られていた。仕事中、集中力をセーブしたい瞬間はメチャクチャ多いが、悩んだ末に買うのはやめた。(少し後悔している)


誰でも参加できるミニイベントも多数 


デザインフェスタギャラリーは、展示だけが全てではない。


この日は、画材メーカーのリキテックスさんの提供で、未発売の絵の具を試しながら「傘
アート」をつくるイベントがプレ開催されていた。


明度や彩度が表記されており、相性の良い色がわかる新しい絵の具。アーティストさんたちに使ってもらって、さまざまな作品を生み出していく。


何の変哲もなかった小さな傘が、めちゃオシャレに。


アートやデザインと聞くと少し敷居が高く感じるけれど、この場所には子どもから大人まで楽しめる環境が広がっている。



2つの飲食店も併設。小腹が空いても大丈夫


最後に紹介するのは、当ギャラリーに併設された2つの飲食店だ。


ひとつは「DFCAFE&BAR」。その名のとおり、コーヒーや紅茶、お酒と「オムそば飯」や「カレーライス」などが楽しめる。


アートに囲まれて食べるランチ、ちょっと不思議な気分です。


WESTとEASTを繋ぐ渡り廊下の途中には、


当ギャラリーのメイン食堂とも言えるお好み焼き店「さくら亭」を構える。


日本の東京で食べるグローバルに喜ばれるものって、やっぱりもんじゃ焼きかお好み焼きなんじゃないかと最近思う。


ひっくり返す工程も、アートと言えばアートかもしれないし、アートでないと言えばアートでないかもしれない。


何にせよハイクオリティで値段も安いし、種類も多いお好み焼きともんじゃ焼きが楽しめるので、小腹が空いたらこちらもオススメだ。

おわりに


以上、デザインフェスタギャラリーの魅力をお伝えしてきた。

出展側で言えば「とにかく安いのに、設備もしっかりしていて(Wifiや電源環境もあり!)、原宿という好立地にある」のはもうメリットにしか働かないだろうし、オマケに審査もないわけだから、チャレンジングな企画もここなら実現できる。

来場者側で言えば、74もの展示スペースと2つの飲食店で、丸一日アートやデザインにどっぷり浸かることができる。また、事前にイベント情報などを確認しておけば、もしかしたら予想もしなかった魅力的なワークショップに参加できる可能性もある。



イラストも写真も、雑貨もアクセサリーも映像もアパレルも何でもアリ。無審査なぶん、まだ荒かったり尖っていたりする作品も多い。きっとそこに、親近感が沸くこともある。

観る、出逢う、買う、体験する、交流する。その全てが叶う場所、デザインフェスタギャラリーに、ぜひぜひ足を運んでみてもらいたい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


(参考)
・デザインフェスタギャラリー公式Webサイト
https://designfestagallery.com/

・イベント公式Webサイト
https://designfesta.com/