中央大学理工学部写真会
『十月展』
2018.10.15-2018.10.17
at WEST 1-D
毎年ちょうど季節の変わり目を感じる頃に行われる写真展、今年もやってまいりました。
中央大学理工学部写真会による定例展示会、今回のテーマは『明暗』です。
「写真は光と影の芸術」なんて言われるわけですが、そう考えてみると本展示のテーマである「明暗」は、写真の原理に立ち返った実に写真らしいテーマですね。
暗室の中の赤色灯の輝きにも見えるこちらの写真。雰囲気のある暗がりでのワンシーンです。『最後のデート』というタイトルですが、この仄暗さがこの先の展開を暗示しているようですね。
こちらも同じく夜の光を捉えた作品。
ぼんやりと霧が掛かった風景の奥には神社の鳥居が見え、そのすぐそばに煌々とした明かりが灯っています。前景にそびえる草木がシルエットになっていて、本展示のテーマである「明暗」が一枚で体現されています。とても神秘的で、別の世界に連れて行かれそうな雰囲気すら感じます。
明暗といえばもう一つ、お祭りですね。
提灯や屋台の明かり、神社の本堂にほのかに灯る照明など、お祭りの夜もドラマティックな「明暗」が溢れるスポットです。
神楽殿の壇上で舞う演者に、まるでそれ自身が輝いているかのように光が集まっている様子。ただ舞台上を写すのではなく、屋台の隙間を縫うような視点が遠近感を与え、より当事者的な視点として写真に没入できるような仕掛けとなっています。
「明と暗」をもっともシンプルに、かつダイナミックに表現する方法はなんといってもモノクロですね。白と黒の二色のみで光と影を写し取ることにより、カラーで写すよりもずっと明と暗がはっきりと表現されています。
意識しないと見過ごしがちな風景でも、モノクロの頭で街を歩くとこういう場所に目が行きますよね。
今回の記事で紹介した以外にも「明と暗」の写真が数多く並んでおりますので、ぜひ会場に足を運んでみてください。