福留茜 『死にたいと思うこともあるじゃんね』
2021.8.6 - 2021.8.8
[EAST 301]
DFGでお馴染みの福留茜さんの個展が開催されました。
何度も色を重ねて描かれたカラフルで密度のある画面、そこに書かれた人物の心情や呟き、1点1点時間をかけて観ていたくなる作品が並びます。
まず、本展示のタイトル、とっても優しいと思いませんか?
「死にたい」って思ったら、それを否定するでも無視するでもなく、「そう思う時もあるよね」って、気持ちに寄り添ってくれる。何かに傷ついたり、上手くいかなかったり、どうしても気持ちの消化が出来なかったり、そんなことでも死にたいって感情にもなるし、死ぬつもりなくても簡単に口に出しちゃうし。
些細な悲しみとか寂しさから、大きな絶望まで、何かを抱えている人の気持ちに刺さったり、沁みたり、福留さんの人間らしい作品に救われている方も多いのではないでしょうか。
「F賞」
くじのF賞。それが最下位でなくてもなんか微妙なF賞。お前はいらねぇ、ハズレ、A賞当てたいという人たちの中に、ベロくまだけが「ぼくはF賞のキミがほしかったよ」と言っています。
ひとりのその言葉だけで自分の存在を確かなものに出来るし、救いの言葉ですよね。
燃えるような赤色の画面が印象的。福留さんの画集3の表紙の作品です。
よく見ると女の子がこちらを真っ直ぐ見つめ、「弱いから戦っている」と文字で描かれています。それは福留さん自身かもしれませんし、この絵を観ている「君」かもしれません。
自分も何か行動を起こさなくては、と奮い立たされます。
何度も色を重ねた福留さんの絵を観ると、やっぱり原画が一番かっこいいいなぁと改めて思わされます。スマホやパソコンの画面では伝わらないパワーが確かにあります。
さらに、原画でしか気づけない書き込みもあるのが、生の絵で観れて良かったと思う要素のひとつ。
YouTubeで見た犬だ…!
画集をはじめ、ポストカードやステッカーの物販もございます。
個人的に推したいのが「今回の個展チェキ」。
人物の絵も良いし、ベロくまもイケてる。何より日付とサインが入ってるの、めちゃくちゃ嬉しくないですか!? 来場記念に買いましょ!
展示は8/8(日)まで。
是非、原画を観にお越しください。
作家紹介
https://www.akanefukudome.com/