chana
『儚い』
2021.3.6-2021.3.8
at WEST 1-D
共通のコンセプトのもと、一人のモデルを4人のフォトグラファーがそれぞれの世界観で撮影した写真が並ぶ写真展『儚い』がWEST 1-Dで開催中です。
それぞれことなるシチュエーションで撮られた写真でありながら、統一感のある展示空間担っています。
被写体として活動するchanaさんをモデルとして、4人のフォトグラファーが異なる世界観のもと撮影した写真が並ぶ今回の展示。
chanaさんが設定した『儚い』という共通のキーワードのもと、モデルとフォトグラファーが1からイメージを作り上げていき、ここの作品が紡がれています。
そのためか、全く別の人間が撮影した写真が空間に同居していても、写真全体のトーンや空気に統一感があります。
「儚い」というコンセプトは、コロナ禍によってより顕在化した閉塞感や、そんな状況になって感じるようになった当たり前の日常の儚さを、今だからこそ写真を通して表現し、共有したいという思いから由来しています。
Yato Yuiさんが撮影した一連の写真は、日常がすぐに過ぎ去ってしまう脆さと、だからこそ輝く一瞬を捉えたような作品です。写真の中のchanaさんの表情も、わかりやすい喜怒哀楽は表に出さず、何かに思いをはせるような視線を送っているのが印象的。
続いての作品は、chanaさんが昔から付き合いのあるririさんが撮影した作品。
ririさんはchanaさんが被写体として制作活動を始める以前からの知り合いだそうで、今のような活動をするきっかけにもなったフォトグラファー。ぐっとクローズアップした写真からはそんな二人の距離感が伝わってきます。
こちらの作品のポートレートはほぼすべて白バックというシンプルなシチュエーションで撮影されたもの。それでも、古くから知る仲だからこそのchanaさんの個性が引き出されています。
ririさんの作品では、chanaさんによる文章やフォトペイントを施した写真など、より「共同作業」の色が濃い印象。また時折差し込まれる光にフォーカスしたスナップ写真は、今回の展示のテーマである「儚い」という言葉を印象づけるアクセントとなっています。
ギャラリーでの展示は今回が初めてということでしたが、一貫したテーマがしっかりと空間でっ表現されており、それはchanaさんのコンセプトづくりやディレクションの賜物なのだと展示を通して感じました。
今回の展示で取り上げられなかった作品も素晴らしいので、ご無理のない範囲でぜひお立ち寄りください。展示は3/8(月)まで開催中です。