POSTMAN
『POSTOFFICE2021』
2021.3.5-2021.3.8
at EAST 101-a
東京工科大学のデザインチーム POSTMANの展示会が今年も開催!
発足当初から続く理念はそのままに、1年の集大成となる作品がずらりと並んでいます。
POSTMANは3年前のチーム発足から、年度末の3月に展示会を行なっている東京工科大学の学生によるデザインチーム。
郵便局に見立てた展示空間に、メンバー個々が制作したグラフィック作品がずらりと並びんでいます。どの作日も親しみを感じるような作品からスタイリッシュな作品、くすりと遊び心のある作品など、メンバーの個性が色濃く反映されており、バリエーション豊かな展示となっております。
今回の展示では、一年を通して毎日20時にinstagramに投稿していた作品を、カレンダー状に時系列に並べて展示しています。
週ごとにテーマとなる言葉をメンバー個人個人が自由に解釈し、イラストやグラフィック、コラージュなどさまざまな技術を活用して表現しており、季節感を感じるものや単純にかっこいい!と思えるものなど、とても7人のメンバーのみで作り上げたとは思えないほど、さまざまなキャラクターが垣間見えます。
作品はポストカードとして数量限定で販売もされています。
展示期間中は自分の誕生日の作品を買ったり、思い入れのある季節の作品を買ったりしていく人も多かったのだとか。
個々の作品は統一されたデザインのもと、日付とテーマ、それに作者による一言が添えられています。こちらは石井優也さんの作品。
CTスキャンのような脳内を表現したグラフィックがアンバーなトーンにより描かれていて、「Overuse of brain=脳の使いすぎ」という言葉が差し込まれています。暗いトーンとキュビズムの作品のように複雑に組み合わされた図形が、疲れ切った様子を物語っているかのようです。
そして傍らには「考えすぎると頭がガチガチに凝り固まってしまいます。」という一言が。
毎日絶えず作品を投稿するので、作品にはその当時の自身の状況や好きだったもの、見たもの聴いたものなどが反映されるとのこと。一年を振り返るという意味では、鑑賞者側も自分自身の経験に重ね合わせながら共感する人も多いと思います。
POSTMANの展示会では、ここの作品はもちろんのこと、展示に至るまでの過程や展示やフリーペーパーのデザインコンセプトなど、裏側の部分が楽しめるのも魅力の一つ。
スペースの一角では、定期的に実施されていたミーティングの記録やコンセプトシートなども公開されており、どのような思いで作品が作られていったのか、一つのプロジェクトのスタートからゴールを時系列で追うことができます。
こうやって眺めて見てみると、一つひとつのデザインにしっかりと意味や思いが込められているのが分かって、展示をもう一周してみると違った楽しみ方ができるようになります。
今年はコロナ禍ということもあり、MTGはzoomなどを活用してオンライン実施せざるを得ない難しさもあったのだそう。
その隣には『「ワクワク」のつくりかた』というコピーのもと、メンバーの制作の裏側や作品に込めた思いなどを記したコンセプトシートが展示されています。
実はこの「ワクワク」が、POSTMANのメンバーの方々の原動力。
7人のメンバーで分担しているとはいえ、新作を毎日instagramに投稿し続けるということは、並大抵のモチベーションでは難しいはず。
特にSNSでは「いいね」数によって自身の作品の評価が良くも悪くも数値化されてしまうため、時にはメンタルがやられてしまうということも。そんな時は定期的に実施されるMTGで互いの作品を褒めあったり高めあったりすることで、一年の集大成となる展示会にこじつけたのだそうです。
「楽しむ」というシンプルな動機をメンバーそれぞれが持っているからこそ、それが作品に見え隠れする遊び心にも現れているのだと思います。
POSTMANチームはこの展示を機に代替わりを迎え、その思いは後輩に引き継がれていきます。
そのメンバーも参加する展示が3/10(水)より開催されるので、そちらも合わせてぜひチェックして見てください。当展示は3/8(木)まで開催中です。
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