祖父江司 『Through』
2020.3.20 - 2020.3.22
[ WEST 2-E ]
今回、DFGにて祖父江司さんの初個展が開催されました。写真を撮り続けているという祖父江さん。展示タイトルでもある『Through』をテーマに撮影された写真が展示されています。
今回の作品テーマは『Through』。「越しの向こう側」というテーマで一年間撮影を続けられていたそうです。フェンス越しに見る風景は、向こう側の景色がより魅力的に感じてしまう不思議な力があります。手に入れたくても手に入らないものを余計に欲してしまう感覚と似ている気がします。
フェンスの形状によっても風景の印象は大きく変わります。円形の穴によって全体が柔らかく優しい印象に感じられ、閉鎖的な硬いイメージが和らいでいます。
窓越しの部屋。ガラスの反射によって外の景色が映し出されており、二重の世界が楽しめます。窓の向こう側の子には、話しかけても簡単には声は通らないでしょう。向こう側を意識することで、こちら側を感じることができます。
手前の暗さによって輝きが増して見える向こう側の景色。色の鮮やかさに目を奪われます。
フェンスの向こう側に広がる大きな世界。フェンスという窮屈なイメージに対比し、広大な景色が開放感という気持ち良さを生み出しています。自由過ぎると気付くことのない感覚を伝えてくれているように思えます。
祖父江さんの写真は、風景写真というだけではなく、この風景を見ている人の存在をも感じさせる作品です。ぜひ、実際にご鑑賞してみてはいかがでしょうか。
作家情報
祖父江司
https://www.facebook.com/tsukasa.sofue
https://www.instagram.com/aundora00/?hl=ja
スペース詳細▽
[ WEST 2-E ]
Staff Chi