MIKANA 『祈り』
2020.12.15-2020.12.17[WEST 1-C]
無表情の裸婦像から見え隠れするのは、哀愁や切なさといった少し物悲しい感情。
苦節を超え、MIKANAさんが表現するものは、優しく切ない「祈り」。
女性の目の奥から、様々な感情を読み取ってみてください。
背景の赤が印象的なこちらの作品。
手の佇まいやほのかに赤みを帯びた肌の少女からは、母性のようなものも感じられどこか慈愛に満ちた優しい雰囲気を感じます。
緑の優しい配色が、より祈りの神秘性を感じさせます。
《この子は天使》というタイトルの本作は、頭に猫を乗せた少し不思議な構図。
目をそらす、目を瞑る、言葉面だけで見ると少しネガティブな単語ですが、MIKANAさんの作品からはそのネガティブさより、切なさのようなものを感じました。
冷たすぎず、どこか温かみも感じられる二人の少女の静かな空気感がとてもよく伝わります。
アンニュイな表情をした少女と、マイペースな印象の猫が佇む様子は、シュールながらも柔らかい印象があります。
「この子」は少女なのか、猫なのか、それともこの状況そのものなのか。
様々な想像が膨らみますね。
少し気だるげな雰囲気を纏った彼女たちの表情からは、哀愁の中にもどこか穏やかで優しい空気を感じます。
苦労や挫折など、様々な経験をされてきたMIKANAさんだからこそ描くことのできる感情表現に、心が救われるよう。
作品の前に立ち、少女たちの祈りと対話してみてはいかがでしょうか。
本展は本日12/17(木)まで。