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エムプラス 『かさなる足跡』


エムプラス 『かさなる足跡』
2020.12.23-2020.12.28
[EAST 303]

美大・芸大・音大生からなるアーティストサークル「エムプラス」。
今回で3度目の展示会となる同グループの展示会は、新たなメンバーも加わり、また前回とは違った密度の高い展示空間が広がっています。
一部となりますが、展示の模様をご紹介いたします。





今回は8名の学生さんが出展されています。
油絵、ミクスドメディア、アクリル画、陶などなど、幅広いジャンルでそれぞれの作品が制作されています。
制作されている画材に限らず、使用している素材自体も多岐に渡り、ひとつの展示室に展示されていることでその実験性や個々の個性がより際立ちます。



今回は二人の学生さんにお話を伺うことができました。
まずは、深く美しい藍色をベースに作品群を制作されている、藤田モネさん。
鑑賞しているうちに、まるで海底で静かに漂っているような感覚に陥る、深く、それでいて優しい青が心を満たします。
重力に従って流れていく絵具のラインは、自然に生み出されたものでありながらその密度感に奥行きがあり、より柔軟な世界観を醸します。
流木や画板など、キャンバス自体にもこだわりが感じられる作品群です。



そして、こちらは阿部穂香さんによる、こちらもまた独特の「青」の表現が美しい作品群。
阿部さんが今回制作テーマとして選んだのは「竜閑川」という、かつて東京神田付近を流れていた、所謂「廃河川」。
川を知ることで、その土地の文化や歴史がどのように息づいて、今に繋がっているのか。阿部さんは、そのような文化的背景を芸術表現に落とし込む試みを行っていらっしゃいます。
この凸凹としたキャンバスは、この竜閑川が存在していた当時の地形を表しているそうで、そこに描かれているものは、かつて竜閑川があった土地の現在の風景。
布とキャンバス、それぞれに廃河川の痕跡が残る様子からは、現在に繋がる人々の営みの尊さやその無常さをも感じられるよう。

全ての作品を紹介できず悔やまれますが、それぞれに付けられた作品のタイトルから、個々の世界観が活き活きと発揮されています。
作品の前でゆっくり対峙する時間を与えてくれる安心感があるので、静かに、ゆっくりじっくり作品と向き合ってみてはいかがでしょうか。

本展は12/28(月)まで。

Twitter:@m_plus_artists

参加作家

阿部穂香
勝吉玉光
春蘭
辻裕美
にしなうらら
Fumika
藤田モネ
YU CHUNGHSIANG

<スペース詳細はこちら>

[EAST 303]

staff kome