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【コラージュ展2020】展示レポート Part.1

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コラージュ展2020 - Collage Exhibition 2020 -

2020.11.1(日)〜 11.21 (土) 3週間(※11/7・11/8は休廊)

DESIGN FESTA GALLERY EAST アートピース
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アートの最小規格である「F0号」サイズのキャンバス。
サイズは140mm × 180mm と、アートに馴染みがないと言われる日本の住空間においてもアートを気軽に生活に取り入れられる、とても親しみやすい規格です。

絵画全般に用いられる木製パネル、F規格の中で最も小さい0号。
小さいからこそ、その四角の中には作品の魅力が凝縮されます。

10/4(日)から約1か月に渡り開催される『F0号展vol.2』では、3月に開催された前回に引き続き、最小のフレームから無限に広がる表現の数々が多数集まっています。

こちらのブログ記事ではF0号展に出展する作家19組中6組( EAST アートピース「1」〜「6」)の作家による作品をご紹介いたします。

1.itouli

2.Taku',n

3.シン

4.神原コウ

5.至極カタカ

6.yama_collage

『コラージュ展2020』展示レポート
♦︎Part.2はコチラ
♦︎Part.3はコチラ

1:itouli



京都在住のグラフィックアーティスト itouli さんの作品は、グレーのボックスにコラージュの支持体を組み合わせたモノとしての物質館が感じられる作品。整然と並べら得ることによって、作品自体のミニマルさがより強調されます。




コラージュは、女性のファッションスナップやポートレートをメインの素材として、最小限の素材で画面が構成されています。切り抜き方やアクセントカラーの入れ方などにセンスが感じられます。




雑誌やフライヤーなどの紙媒体から、モチーフを切り抜き様々なパーツを組み合わせるコラージュの技法。itouliさんの場合は素材の数を絞り、無地の背景を使うことによって切り抜く素材の「形」も巧みに使い分けてコンポジションを作っています。




メインの素材となるスナップ写真に登場するアクセントカラーを別の無地素材で「再登場」させたり、相性のいい色や補色関係のある色を使うことによって、個々の作品の「テーマカラー」が浮き上がってくる、個性の際立つ作品です。

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2:Taku',n



過去2回の個展開催やグループ展参加など、DFGでもおなじみのアーティストTaku',nさんの作品。意外にもコラージュ展への参加は初。限られたスペースの中で最大限、Taku',nさんらしさが表現されたスペースとなっています。




Taku',nさんは、素材のカット&ペーストのみならずペインティングを加えたり、時には自身の過去作品までも変容させ、新たな作品へと再生し、再構成する、まさに無限の創造を繰り返すスタイルで作品を制作しています。

こちらの作品では人物のパーツを正面に据え、さまざまな要素によって人物の輪郭を形作っており、ポートレイトのようなコンポジションとなっています。




今回の展示では、過去の作品から新たに再生させた無数の素材を駆使して、スペース自体を支持体としてコラージュした、さながらインスタレーション作品のよう。作品のみならずスペース全体で自身の世界観を表現しています。




平面を飛び出しあらゆる物質に増殖し、まるで寄生するようにその世界が広がり続けているTaku',nさんの作品。小さいスペースながら見どころが凝縮されています。

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3:シン



続いて、スペース全体を使ってカラフルな世界を見せているシンさんのスペース。
ポップな色使いと力強い動物のモチーフから、生命力が溢れ出ています。




動物のモチーフを中心に、英字新聞や色紙などを組み合わせてカラフルな作品を生み出しているシンさん。赤や黄色、緑の色は自然の中を生きる動物たちとの相性が良く、力強さがより一層引き立っています。

今回の展示のテーマが「弱肉強食」ということもあって、こちらはその象徴でもあるライオンを使用した作品。今にも咆哮が聞こえてきそうな躍動感です。




サイズの大きな作品はテーマがベースにあるものを揃え、小作品ではまた違った表情が回見えます。

素材として使っているものは共通しているものがありますが、より色や形、配置などにフォーカスしており、その見せ方に違いがあります。動物モチーフの作品が「動」だとしたら、小作品は「静」、それぞれが同じ空間に共存しています。

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4:神原コウ



昨年の7月にDFGにて個展を開催した神原コウさんの作品。
今回のコラージュ展2020では、デジタルコラージュによる大判サイズの作品1点を展示中。

一作入魂とだけあって、細かく手の込んだ大作となっています。




「ポップで可愛いけど、どこか奇妙」なコラージュ作品を手がけてきた神原コウさん。
前回の展示では、まるでパレット上で絵の具が混ざり合うようなアクセントカラーとコラージュ素材が融合したポップな作風が印象的でした。

今回の作品では、女の子のイラストとおびただしいほど多くのコラージュ素材が組み合わさり、近未来的な世界観が表現されています。




こちらの写真は作品のほんの一部、おそらく数十分の1を切り取ったものですが、それだけでもこんなに多くの要素が入り組んでいます。

「切り抜く」という作業が発生するのはアナログでもデジタルでも同じくらい手間のかかるもの。要素が多ければ多いほど無限の選択肢が生まれますが、その中での最適解が一枚の絵の中で提示されています。




先ほどの拡大写真にスピーカーの素材が使われていましたが、こちらにはイヤホンが。
他にも、特に音楽を連想させるモチーフが多用されていて、どこを切り取っても新しい発見があり、まるでCDジャケットのようなテーマ性のある作品に仕上がっています。

実際に会場で作品をご覧になる際は、ぜひ宝探しのように細かいモチーフに着目して見てください。

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5:至極カタカ



神原コウさんに続き、隣のスペースの至極カタカさんもDFGにて個展開催の経験があるアーティスト。今年9月末に行われた初個展でも見られた、人物画とコラージュをミックスさせた作品が並んでいます。




至極カタカさんの作品の特徴でもある、人物画とコラージュをいいバランスでミックスさせた作品。どちらをベースにしたとも言い難い、双方のいい部分をキャッチアップして独特な世界観を表現しています。




表面が剥離し、地の部分が意図ぜず表出しているように見えます。
真正面に人物の顔配置しているので、人間の本質を暴き出しているかのような作品です。




雑誌やルックブックのモデル写真はある意味完成されていて、中にはレタッチなどで美しく仕上がった写真もあります。そういった綺麗なものをはがし取るかのような表現方法自体がアンチテーゼ的であり、だからこそ力強い印象を与えています。

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6:yama_collage



前回開催されたコラージュ展2019verでもインパクトを残したyama_collageさん。
今回は大判サイズの作品1点を出品しています。

前回はおびただしい数の「ハサミ」が無限増殖をしているかのようなコラージュでしたが、今回は新聞をベースとした抽象度の高い作品に仕上がっています。




抽象度が高いといっても、それはあくまで俯瞰の視点で画面を捉えた印象。
こうやってパーツパーツを見てみると、人物の輪郭が浮かび上がってきます。

しかもよく観察してみると、人物の素材がベースである新聞に透過しています。
おそらく素材となる人物写真の媒体を転写しているのですが、それにより画面から浮き上がってくるように見えてきます。




コラージュの手法として見られるのが、こうやって画面の中で遠近を表現する技法。

日本の作家だと岡上淑子はこの手法を巧みに使っている印象ですが、ビリビリに破かれた新聞紙に掛かる手が画面の向こう側にいる存在を示唆しているようで、とても立体的な奥行きのある作品に見せています。

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『コラージュ展』は11/21(土)まで開催中!(※11/7・11/8は休廊)

下記より展示レポートの続きをお楽しみください!
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♦︎Part.3はコチラ

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staff:isaka