shikaku. 『きみが□□□□くれますように』
2020.3.20-2020.3.22
[WEST 1-F]
写真・ファッション・短歌、それぞれの分野で活動する作家3名によるグループ展が開催中です。
それぞれのジャンルで表現される「欲」は、人間の内面やセンシティブな部分をじんわりと刺激します。
3者3様の世界観を是非ご堪能くださいませ。
鈴木奈緒
ファッション制作を行われている鈴木奈緒さんは、「承認欲求」を赤と黒のチャイナドレスをモチーフに制作されています。
自分自身の欲をお人形(自分以外の誰か)に着せて満足する、という承認に対する欲深さや危うさ、切なさといったものが感じられ、「見つかりたいけど見つかりたくない」「愛して欲しい」という切なる想いが込められています。
赤のチャイナドレスは実際に展示されています。
赤と黒のコントラストが強調されており、大ぶりの髪飾りもとても美しい。
近づいて細部までじっくりご覧いただけます。
三好いずみ
三好いずみさんの作品は、「ひび(日々またはヒビ)」をテーマに、日常的なふたりの様子を短歌に詠んだもの。
「ふたり」とは具体的にされておらず、恋人であったり家族であったり、鑑賞者が各々で想像する親しい間柄のふたりを指しているそう。
日々の中にも「ヒビ割れ」があったり、何もない、そんな日も五七五七七の限られた文字数の世界で語られる言葉は非常に柔軟で、読み進めるうちにじんわりの心の奥にしみ込んでいきます。
元々「豆本」を制作されているという三好さん。
今回はこの12編が収録された豆本も販売されておりますので、気になった方は是非手にとってみてはいかがでしょうか。
イチカワミキ
今回2パターンの作品を展開されているイチカワミキさん。
こちらの白風船のシリーズは、「夢の中でやってみたいこと」を、「リアル」である写真で表現されています。
写された写真の数々は何の変哲もなさそうな日常の風景のようにも感じられます。
しかし、登場人物の女の子たちが全員白い風船を持っていることで、少しの非日常を感じられ、開放的で自由な彼女たちを見ていると、こちらまでポジティブになれる作品群です。
そしてこちらは、左から「食べる・眠る・生きる」をテーマに撮影された作品。
全て写真作品ですが、デジタルでコラージュしたような印象も感じるこれらの作品は、実は人物の部分は実際に撮影した写真を切り取り、さらにそれをセットに配置して撮影されたものなのだそう。
デジタルとリアルの不思議な良い違和感が醸され、表現としてもとても面白い作品となっております。
また、ポストカードには三好さんの短歌もコラボレート。
是非近づいてじっくりご鑑賞ください。
もともと地元の同級生だというお三方。
それぞれの強みを活かし構成された空間はとても心地の良いメッセージ性を持ち、各々の持ち味が存分に感じられます。
是非じっくり空間ごとご堪能くださいませ。
本展は3/22(日)まで。
<スペース詳細はこちら>
[WEST 1-F]
staff kome