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Minami Nakamura 『Minami Nakamura Solo-Exhibition』


Minami Nakamura
『Minami Nakamura Solo-Exhibition』
2020.2.14-2020.2.16
[WEST 1-D]

抽象的なコラージュ作品を展開されているMinami Nakamuraさんの個展が開催中です。
6月に開催された前回の個展から早8ヶ月。
今回は現在のスタイルの作品の他、Nakamuraさんが過去に制作されていた作品も展示されています。
彼女のルーツを知ることができる、とても刺激的な空間となっております。


過去の作品はアクリル絵具を使用し、カラフルで美しい作品を展開されていたNakamuraさん。
丁寧に色付けをされた作品群は画面が隙間なく埋め尽くされ、その力強さに圧倒されます。


ボルネオ島に行かれた際に見ることができたという、世界最大の花と言われる「ラフレシア」の作品。
力強く生命力に溢れる花のように見えますが、その命は1週間と非常に短く、見ること自体非常に希少なのだそう。
その短い命を、大きな花弁をもって精一杯主張している様子は非常に儚く感じられますが、彼女の作品からはその力強いエネルギーが画面いっぱいいっぱいに満ち溢れているように感じます。


そして現在Nakamuraさんが描かれている作品群は、過去作品とはまた違ったエネルギーを感じられる作品。
ペイントとコラージュを組み合わせられており、画面を自由に駆け回る筆運びや、流れるように描かれる点描など、遊び心が随所に感じられます。


パッと見ただけではペインティングの作品のように感じられますが、中村さんの作品の真骨頂はなんと言ってもコラージュでしょう。
ペイントされた素材をたくさん貼り合わせて制作されています。
アクリル絵具や水彩では表現できない、色の境目をパキっと変えて表現できる手法は、あらゆる素材を貼り合わせて表現できるコラージュ。
こちらの作品では、さらに作品の質感や素材感にこだわり、塩を使用されるなど、心地よい画作りを試行錯誤されながら、楽しみながら作られていることがとてもよく伝わります。

過去から現在へ、実は「色々考えながら制作することに疲れてしまった」というところから、「純粋に作品作りを楽しもう!」という考え方に切り替え、現在の作風に落ち着いたというNakamuraさん。
作品を「作る」過程を大事にされており、完成された作品からもライブ感が満ち溢れています。
本展では、ご自身が過去と現在の作品を客観的に見比べたかったのだそうです。
一見2名の作家によるグループ展のようにも感じられますが、スペースの入り口に立つとNakamuraさんのルーツとその変遷がはっきりと垣間見られ、とても感慨深い気持ちにさせられます。

本展は2/16(日)まで。

子どものように純粋に、しかし理性的な面も持ち合わせている彼女の作品からは、明るさや楽しさ、はたまた少しの切なささえ感じられます。
さあ、あなたはどのような感情を抱くでしょうか。

<スペース詳細はこちら>

[WEST 1-D]

staff kome