中村一般 『生活①』

『生活①』

中村一般 

2019.12.23  -  2019.12.29

[WEST 1-G]

フリーランスのイラストレーターとして様々な媒体で活躍中の中村一般さんによる個展『生活①』が開催されました。

今回の展示では中村さんの最近の身の回りで起きたことや見た出来事など生活の記録が写し出されています。

写真を交え、展示の様子をご紹介致します。

 　中村一般さんはありふれた何でもない景色をその緻密な線と圧倒的な情報量をもってして紙面に描き出します。日常の風景を描く作家は多くいますが、特に中村さんの描く景色は、その何でもなさがそのまま紙面に写し出されています。
作品の前に立つと、まるで風景の空気、匂い、その日の天候、すべてがリアルに感じられます。
　

　

 　２コマから4コマで構成された作品は、 まさに文字のない日記。中村さんの視点で描かれているものはけして特別ではないものばかり。見過ごしてしまう景色にフォーカスしているのですが、だからと言って見過ごしてしまうものを特別なものとして昇華するのではなく、本当にふと散歩をしていてたまたま目に入ったものをそのままの視点で描いているのです。
中村さんの作品は、もしかして自分もどこかで体験したかもしれないという既視感と、あまりにも作品の中に自然に入り込めるという共感度の強さを鑑賞者に与えます。
　　

中村さんの作品の世界は曇り空だったり、街灯に照らされた夜だったり、常にどこか薄暗いのですが、だからといって決して嫌な薄暗さは感じさせません。
眠る時、うとうとしている時にそっと寄り添うような、当たり前にそばにいるようなそんな安心する温かさを感じます。

今年はとあるギャラリーのコンペで賞を取るなど、大注目されている中村さん。
今後の活躍も楽しみです。気になった方は現在ーアイデムの地元メディア『ジモコロ』にてレポ漫画を連載されているそうなのでチェックしてみてくださいね。

作家紹介

中村一般(なかむらいっぱん）
1995年生まれ。東京出身在住。大学卒業後、フリーランスのイラストレーターとして活動。音楽・書籍・web等の媒体でイラストを手がける。イーアイデムの地元メディア『ジモコロ』にてレポ漫画を更新中。『ILLUSTRATION2020』掲載。
Twitter/instagram：@nakamuraippan

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staff minako