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横山 貴夫 『顔面博物館』



横山 貴夫
『顔面博物館』
2019.11.26-2019.11.28
at EAST 304

壁いっぱいに並ぶ作品は、ほぼ全てが人間の「頭蓋骨」。
表情のないはずのものなのに、不思議と一つひとつに個性が宿っています。





皮肉のこもった時事ネタのキャプションから始まる展示。

横山 貴夫さんによる弊廊での初個展 『顔面博物館』には、これまでに描き溜めた頭蓋骨モチーフの作品が壁面にずらりと並んでいます。




「頭蓋骨」は肉が削がれた人間の顔であり、表情を形作る筋肉がない以上、そこに表情は生まれません。何を当たり前のことを、と思うかもしれませんが、何が言いたいかというと、にも関わらず横山さんの描くこれらの「人物画」は、一つひとつ異なった「顔」を持っているのです。




肉を削がれたとはいえ目にあたる部分、鼻にあたる部分は陥没しているため、パーツの不在による在を見出すことができるし、口も当然歯があるためその面影を残しています。

そういったわずかな残滓に色や形を描き分け、背景色によってネガポジの感情もなんとなく感じ取ることができます。赤が情熱的だったり、青が悲しみであったり、受け取り方は様々ですが、そういった全体を纏うトーンで絵を「感じる」というのも、絵画の見方としてアリだと思います。




もちろん人間には個体差があるため、たとえ骨の状態でも個体的な特徴はあります。

しかし、横山さんの作品にはそれ以上の個性が宿っていて、同じモチーフを描いているだけでなく、構図やアングルまでほどんど同じなのに、見事に全てが違って見えます。




「絵を描き続けて一生を終えると決めた」という横山さん、ご覧のように老後までに2000もの作品を描くということを一つの目標に定めています。今後の活動も目が離せません。

展示は本日最終日。
ご都合が合わない方はinstagramの作品アカウントもあるので、ぜひご覧ください。


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横山 貴夫
https://www.instagram.com/akzw23nori000/



[EAST 304]

staff isaka