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梦路 萌未 『Shihatsu』



梦路 萌未
『Shihatsu』
2019.6.11-2019.6.13
at WEST 1-G

ふわふわとした浮遊感のある作品世界が大変特徴的な梦路 萌未さんのキャリア初個展となる『Shihatsu』。
タイトルには文字通り、「始まりの第一歩」という思いが込められています。





初めての個展とはいえど、展示スペースに一歩足を拭い見れるだけで作品の世界観が感じられるほど、まとまりのある展示となっています。

「自分の好きなものを詰め込んだら自然とこうなった」という空間は、淡い色彩と夢見心地な空気が表現され、空間全体で作品を感じて欲しいという作家の思いが伝わってきます。




今回の展示は、専門学校時代の卒業制作で手がけた作品を中心に構成されています。
中でも特徴的なのが、原色からかなり引き算をされた淡い色使いと、白昼夢を見ているかのような浮遊感。

作品は主にパネルを支持体として水彩絵の具で描かれ、仕上げに原画を蝋でコーティングすることで独特の質感を出しています。

昔見た風景をふと思い出した時のような、ぼんやりとしつつも感情が湧き上がる作品。絵を覆っている蝋の効果なのか水面に映る風景を眺めているような、あるいは霧の向こうを覗き込むような感覚になります。




高校時代からすでに描きたいものが固まっていたという梦路さん。
その中の一つが人物の「背中」というモチーフ。

「背中には人の表情や感情が表れている気がする」というのがその理由だそうで、たしかに作品を見ていると憂鬱な気持ちだったり、センチメンタルな気持ちだったり、表情ではなかなか読み取れないような奥の奥の感情が表現されている気がします。

人物の顔で感情を表現することはストレートではありますが、顔の表情は本心に反して「作る」こともできます。それが背中となると、顔では隠しきれない本音もにじみ出ているのかもしれない。そこに着目した梦路さんは、この展示でも多くの背中で語る人物を描いています。




話を伺っているととにかく「自分の好きな者を作るのが好き!」という気持ちがひしひしと伝わってきます。

絵画作品以外にも、そんな気持ちから作った雑貨が展示販売されています。
こちらの写真ははちみつ成分の入った石けん。
綺麗な鉱物のようで、実用はもちろんのこと、部屋に飾るだけでも空間が華やぎますね。


今回は平日3日間の開催となりますが、8月4日、5日に開催される真夏のデザインフェスタ(ブースはB-295)にも出展予定とのこと。
この機会を逃してしまった方はぜひ、真夏のデザインフェスタに足をお運びください。

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梦路 萌未(Yumeji Moemi)

1997/3/1~
埼玉県出身
2019 48期 創形美術学校卒

Twitter
https://twitter.com/ymj_mem

Instagram
https://www.instagram.com/ymj_mem/?hl=ja


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[WEST 1-G]
staff isaka