なかしま なぎさ 『under sider』
なかしま なぎさ 『under sider』
2019.5.31-2019.6.2
[EAST 303]
青を基調とした、ゆっくりとした時間がながれる空間。
なかしまなぎささんが描く、少しアンニュイで優しく静かな少女たちの面影を追います。
壁側にずらりとレイアウトされたドローイングの数々。
「青と海が好き」というなかしまさんの作品は、所々に青と海の生き物が描かれています。
人物の表情はどこかアンニュイで、気だるげな印象。
しかし、そこに艶っぽさとかわいらしさが同居し、独特の世界観を醸します。
大胆に塗られた線や、点線で描かれた目元や肌のラインなど、様々なラインを使って描かれる作品は、とても繊細で涼やかな印象を与えます。
メインビジュアルにも採用されているこちらの作品。
《あの日の私を見ていた》と題された本作には、淡いブルーの筆跡に溶け込むように横たわる人物と、対照的にビビッドな赤い服を着た人物が小さく描かれています。
「あの日の私」を見ているのは、一体どちらの「私」なのか。
あなたはどのように感じるでしょうか。
そして視線を左側に向けると、キャンバスに描かれた大型の作品が現れます。
こちらの作品群は、アクリル絵の具で描かれ、丁寧に丁寧に色を重ねられた作品ばかり。
ドローイング作品とは対照的に、色のくすみ感やビビッドさが際立ち、世界観がより濃縮されています。
タコと指切りをするスモーキーアイの少女からは、艶やかな色気が感じられます。
《どうしてみんなそんなに速いの》
足早に歩く人々を背に、眠気眼のリボンの少女と、カタツムリ。
たまにはゆっくり、マイペースに、自分の速度で歩くことも生きる上で重要ですよね。
とても柔らかく、優しい印象をお持ちのなかしまさん。
「ゆっくりした感じが好き」という彼女の作品からは、彼女の印象そのままに、優しさと
静寂が作品を、そして空間全体を包みます。
5月のさわやかな風に誘われて、たまにはゆっくり、海辺でも散歩してみようか。
そんな気持ちにさせてくれる柔らかい空間でした。
本展は6/2(日)まで。
忙しない日々、心の一休みに是非なかしまさんの作品をご堪能ください。
<スペース詳細はこちら>
[EAST 303]
staff kome