バナーエリア

このブログを検索

miki 『いにしえのおはなし』




miki 『いにしえのおはなし』
2019.4.12 -  2019.4.14
[WEST 1-C]


古事記は皆さんご存知、日本の神話です。
古事記の日本神話は大きく分けて神代の巻と上代の巻の二つがありますが、この展示会では神代の巻をテーマとしたイラストが短くまとめられたストーリーのキャプションとともに展示中です。
そのうちのいくつかをピックアップし、ご紹介致します。


『国生み』
この世界に一番最初に現れたアメノミナカヌシノカミ(天之御中主神)が最後に現れたご夫婦の神であるイザナギノミコト(伊耶那岐命)とイザナミノミコト(伊耶那美命)に、まだ形になっていなかった国を完成するよう命じ、天の沼矛を授けました。
キャプションにも述べられている通り、矛で海水をかき回して日本列島が完成されたわけですが、その様子が描かれた作品です。
イザナギとイザナミにとっての初の愛の共同作業であると同時に日本列島が誕生した貴重な瞬間とも言えるでしょう。落ち着いた色合いと厳粛な雰囲気がストーリーに臨場感を与えるようです。



 『オオクニヌシノミコトと兎神』
因幡(現在の鳥取県東部)に住んでいたヤガミヒメ(八上比売)はとても美しく、彼女と結婚したいと思う神々が数多くいました。そんな中で兄弟にこき使われていたオオクニヌシがどうやってヤガミヒメと結婚できたかがわかる話です。他の兄弟神の悪戯で苦しんでいた兎をオオクニヌシが助けてあげたことでお礼としてヤガミヒメとの結婚を予言されたということです。
作品は、その泣いている兎とオオクニヌシとの対面を描いています。
シンプルな構図と穏やかな色使いは、ある意味真の始まりの物語であるこのイベントにぴったりな気がします。
しかし神が兎を虐めるようなことをするとは神様もなかなかやんちゃです・・・



『因幡の素兎』
時系列としては上記の『オオクニヌシノミコトと兎神』より先になるお話です。
なぜ兎は悪戯されて泣いていたのか、それには鮫を騙して利用したことで怒った鮫に毛を毟られてしまったという自業自得なエピソードがあるのです。
毛を毟られ痛みに泣いていたところを兄弟の神々に見られ、海水に浸かれば治るという嘘を教えられるという悪戯をされたのです。
嘘で謀り嘘で謀られる、まさに自業自得としか言いようがありません。
この絵は鮫が騙される瞬間でしょうか、普段は怖いと感じるはずの鮫ですが円らな瞳がなんだかキュートに見えて兎が余計悪者に見えてくる、なかなか場の雰囲気が的確に表現された作品です。





展示スペースでは国譲りまでの話が時系列順にイラストが飾られており、キャプションからは古事記のストーリーを確認頂けます。

本展は4/14(日)までとなっております。ぜひ会場にお越しください。


[使用スペース 1-C]

STAFF KIM