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はなくそゴリラ 『Departure』



はなくそゴリラ
『Departure』
2019.1.13-2019.1.26
at WEST 1-A

自身が『出発点』と位置付ける、初の個展。

ある意味アーティストネームからは想像もつかないほど、繊細な光の表現とディストピイア的世界観のイラスト作品の展示が開催中です。






初めて聞いた時は「何者?」と思わずにはいられなかったはなくそゴリラという名前ですが、いろいろと試行錯誤した結果なのだそう。

しかしながらいざ個展が始まってみると、そこには繊細で物語性のある作品たちが整然と並んでいました。

自身初めてとなる今回の展示では共通のテーマは設定されていませんが、そのぶん一つひとつが確立された一つの世界を描いています。




人物の頭部から四方八方に放たれるように生える木々に、裸電球がぶら下がっているこちらの作品。

自然と人工物の対比、全体を覆う退廃的なトーンはディストピアを思わせます。それなのにほんのわずかでも温かみを感じる、なんとも言えない幻想的な光景です。




一つひとつの作品で必ずと言っていいほど印象的な光の表現が使われていて、それがはなくそゴリラさんの作品を特徴付けています。

こちらの作品はひとつ前の作品と比べていくらか写実的な風景ですが、ディストーションのかかった背景やぼんやりとした光がどこか夢見ごごちに映ります。目の前にある作品を解釈しようと頭の中で思考を巡らすと、現実と非現実の間をたゆたう浮遊感が心地良い。




夕日に照らされた電車内は私たちの日常でも普通に目にする風景ですが、そこにあるはずのないまゆや、一人座席に佇む顔の見えない少年などのモチーフが、これが現実ではないと主張しています。

某アニメーション映画において、心象風景の表現として時折挿入されたシーンでも夕暮れ時の電車内を写していましたが、まさにそんな世界を彷彿とさせます。


ここで紹介した以外にも、物語強度の高い作品が並んでおりますので、ぜひ実物を見に足をお運びください。

原画をはじめ、、作品のポストカードも購入可能です。



https://hanakusogorilla.amebaownd.com/




【展示スペース:WEST 1-A】