Assorted Australian Artists
『Rolo-dex - Sydney & Tokyo 2018』
2018.6.29-2018.7.5
at WEST 1-F
オーストラリアのシドニーを拠点とするアーティスト総勢21人が集うコンテンポラリーアートのグループ展。彼らが現在進行形で取り組んでいる作品から構成され、シドニーのアートシーンをカタログ的に紹介する展示となっています。とにかくかっこいい。
"Rolo-dex"とはrollingとindexと二つの単語を組み合わせた造語。
総勢21組のアーティストを分厚い本の目次のように横断的に、作家自らセレクトした作品をディスプレイし、彼らの仕事を俯瞰で窺い知ることができるように空間が構成されています。
コンテンポラリーアート=現代美術は、普段アートをたしなむことがない人にとってみればすごく理解りにくいもの、とっつきにくいものというイメージがあるかもしれません。ともすれば美術に多少の理解がある人にとっても、です。
筆者もそうですが、単純に「現代人が作る美術作品」くらいの肩に力を抜いた解釈で作品を観ると作品を素直に楽しめるのでオススメです。美術を知っている人から怒られるかもしれませんが。そして本展示には美術史的なコンテクストとか社会的なバックグラウンド抜きにして、純粋にかっこいいと思える作品の数々が並んでいます。
コンテンポラリーアートとは何かという問いに対して、もっとも解りやすい例は写真作品だと思います。美術の歴史は優に1000年を越えますが、芸術としての写真の歴史は100年にも満たない、まさに現代のテクノロジーが生み出したもっとも身近な現代美術と言えるかもしれません。
本展示でもいくつかの写真作品が観ることができます。
画像の作品は3点で1組の作品ですが、時間的な連続性やモチーフの共通点は認められません。
そこでコンポジションに注目してみると上は緩やかなカーブ、真ん中は一直線に画面を横切る地平線、下は俯瞰してみるとミニマルなテクスチャーと、3点がそれぞれ違うキャラクターを持ち、視点の行く先がバランスよく誘導される構成となっていることがわかります。
こちらも筆者が勝手に「解りやすい現代美術」の代表例と分類しているコラージュアート。コラージュ作品は直感的に「カッコいい!」と思える作品が多いジャンルです。
意味合い的にも、切って貼ってを繰り返し、全く別の文脈を持った欠片が一つの画面に収まることで、何か新しい意味や社会的なメッセージが付加されるという、現代アートらしい要素が詰まった作品です。
難しいことは考えずに、直感で作品を感じてみれば今よりもっとアートが好きになるはず。そういう展示です。展示は7/5(木)まで開催中ですので、ぜひお立ち寄りください。
ARTISTS:
Adam North, Alana Cappetta, Anni Jane, Billy Clare, Blake Malone, Cameron Stead, Caterina Pacialeo, Eloise Cato, Jacqueline Mcleish, Jeremy Smith, Kate Brown, Keziah Duguid, Laura Bergman, Louella Pleffer, Maddy Rowley, Meg Driver, Rachael Helmore, Sarah Clark, Sophie Willison, Suzy Faiz, Valentina Penkova.
【展示スペース:WEST 1-F】