こしせ イナソン
『二度と見たくないあの日のゆめ展』
2018.3.26-2018.3.28
at WEST 1-B
だれでも悪夢にうなされるという経験はあると思います。
特に高熱でうなされているときなんていうのは、何かに追われて必死に逃げているのに速く走ることができなかったり、歯が全部抜けるなんていう突拍子のない夢を見たり。
こしせさん、イナソンさんによる二人展はそんな「ゆめ」がテーマの作品展示です。
ざっと会場を見渡すかぎりでも、作品から醸し出される不穏な雰囲気が伝わってくるような気がします。
色彩はポップなのに、ディテールはとことんダーク。
女性モチーフのイラスト作品がメインとなっていますが、「二度と見たくないゆめ」が主題とあって、トラウマを抱えているかのような人物が主題として描かれています。
ダークファンタジーやアンダーグラウンド系の世界観がベースとなっていて、グロテスクな表現はまさに夢にうなされているかのような感覚を呼び覚まされます。
現実の世界では起こりえない映像を映し出す「ゆめ」の中の世界では、現実と幻想の境界線も曖昧なもの。そんな現実のような幻想のような世界が混同してひとつのフレームに同居している作品がこちら。
右側の作品の少女の背中はモノクロで描かれていて、きらびやかな世界と悪夢は表裏一体であることが二つの絵によって示唆されています。
写真では伝わりづらいのでアップで。
カラフルな背景は絵ではなく立体でとても緻密に表現されています。
悪夢にうなされて目覚めてしまった人たち。
どの顔も「二度と見たくない!」という気持ちが前面に現れていて、一目でわかりますね。
こちらの絵が展示されているのはスペースのほんの一部なのですが、なんだかとても象徴的にこの展示の主題を表現しているように思えました。
人物の描き方にそれぞれ違った個性を持つお二人ですが、作品を見て廻ったあとには夢を見たあとのような感覚になります。ダークファンタジー好きにはたまらない展示だと思います。お見逃しなく!
こしせ
いなそん
【出展スペース:WEST 1-B】