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dolls



dolls
2016.12.25 - 2016.12.28
WEST : 1-B SPACE

韓国のアーティスト、Kim-Ki youngさんの個展。
写真におさめたられたのは、
時の経過を感じさせる「dolls」古き人形たち。
それらは人の原型・外見を尊重された上で、
デフォルメされたものばかりである。






今見れば昔を想うその感性は、
あくまで特定の時代を生きる世代間でのみ共有されるコードみたいなもの。
対象が制作された時代を紐解くヒントにはなり得るが、
普遍的な人を表すものではないし、
そもそもまだ人は終わっていない。




より、客観的な評価を下そうと試みるならば、
タイミングは、人が終わってから精算するように行った方がいい。

だからここでの鑑賞は、
あくまで途中経過を観察する行為。
過去を想い、未来に想いをはせる。

時と場所、異なる舞台で表された、
人の映し、複製、象徴。




ボディや塗料の損傷・劣化をしても、
相変わらず、生まれたままの表情を維持する彼ら。
しかし、見る側の我らは、年齢、性別、心的状態、身体能力等により、
彼らへの評価をゆらゆらと変動させ得る。

変わりない彼らと、
変わりゆく私たち。

比率は違えど、似た外見をしたものたちの間に見える、
私たちを隔てるものは何だろうか。
また何を投影しようとしているか。

クローン人間、人間の進化等のテーマにも置き換えられる、
汎用性が高い思考を呼び起こす、展示会であった。
個人的に、キーは「形(かたち)」だと考える。

dolls
2016.12.25 - 2016.12.28
WEST : 1-B SPACE