『KINCOUS』


金光須 
『KINCOUS』
2016.8.16-2016.8.21
at EAST 303

森 昌弘、大塚 夫、藤 しぐま。
3人のフォトグラファーから一文字ずつをとった『KINCOUS』という展示タイトル通り、
三者三様の作品が並ぶグループ写真展が開催されています。







こちらは大塚 光夫さんの作品。
陽光爽やかな日中の写真、画面全体が柔らかな印象を受けました。

被写体と真正面から向きあっていないと捉えることのできない、
芯のあるスナップです。

壁面に飾られていながらも、アルバムのページを一枚一枚めくるようにすべてが連なって、脳裏に焼き付く感覚。




主要な被写体は人でありながらも、ポートレートという言葉で一括りにできるほど一筋縄には語れない須藤しぐまさんの作品。

人のパーソナリティーが多面的であるならば、おそらくはその中でもっともクリティカルな側面が引き出され、フレームに収まっているのでしょうか。

レンズを通して見えるたくさんのなかの一部の自分。
一部であってもそれが自分であることには変わりがない。
そんな一人ひとりの断片を集積したかのような作品です。






紹介した順番に見ていくと徐々に画面が抽象化しているように見えることにお気付きでしょうか。
こちら2点は金森 昌弘さんの作品群。

具体的対象として特定の被写体を捉えるのではなく、
画面構成、色、形などに着眼点を置いた写真が並べられています。

僕たちが記憶の中のある一瞬を頭の中でフラッシュバックさせるときに浮かぶのは、はっきりとした輪郭のない、曖昧で頼りないイメージだったりします。

あくまでビジュアルとして捉えた印象だけど、人の記憶の曖昧さ、不確実性、時間が立つに連れて溶けるように抽象化されていくイメージ、そういったものが幾つもの写真を通して顕れているように見えました。


展示が行われているEAST館の303号室はたっぷりと自然光が入る部屋。
僕が見たのも昼間の時間帯だったのですが、そんな時間に頭を空っぽにして、ゆっくり時間をかけて見てみてください。


【使用スペース:EAST303】


written by isaka