大石 果林 / 田中 玲奈 / タナベ ルン 『さんにんてん』 2016.3.20 - 2016.3.26
同じ予備校同士だった3人によるグループ展。独特な配色や色味に心惹かれる、
淡々と描かれる中にも表現への熱意や情熱を感じずにはいられない作品をご覧ください。
淡々と描かれる中にも表現への熱意や情熱を感じずにはいられない作品をご覧ください。
大小大きさのさまざまな絵画が展示されている302のスペース内。
同じ予備校に通っていたという3人による平面作品展は、何か共通のテーマを
設けていないにもかかわらず漂う空気感やトーンには統一感がある。
それでいて、まったく違った個性を見せてくれるから興味深い。
奇抜な作品が並ぶわけでも、極彩色の作品がひしめくわけでもないが、
彼女たちが使う独特な色味と配色が作品の存在感を高め、見る人の目を捉えて離さない。
淡々とした”静”という表現が似合う作品が多いが、色味や構図の面白さからは
制作行為に真摯に向き合う彼女たちの姿が浮かぶ。
大石 果林作
大学から版画を始めたという彼女。日本の伝統色が好きで作品に使用することが多いという。
直接自分の手で表現するより、版画という、自分の意思だけでは図れない偶然性が作品に
出るところに面白さを感じるのだという。
大石 果林作
個人的に構図がお気に入りの一枚。濃紺の色味やかすれ具合も素敵。
グラフィック的なデザイン性も持ち合わせた版画作品。
大石 果林作
丁寧な描きこみをする大石さん。こちらは色を重ねていく軌跡を感じられるおもしろい
作品。全体の中で一番具象的で叙情的な作品である気もします。
田中 玲奈作
描きこまれていない作品は色の滲みかたや余白の取りかたに自然の注視させられる。
まるで色が意思を持つかのように伸び、滲み、広がったかのような印象すら受ける。
絵:タナベ ルン作 写真:大石 果林作
写真もよく撮るという大石さん。デニーズの写真が外国人のお客さまに評判なのだとか。
不思議と写真とよくマッチする絵画ですよね。色のコントラストも美しい。シンプルな
構成でありながら存在感をひしひしと感じます。
タナベ ルン作
単純なモチーフと構図だがよく描きこまれている。
斜め上なのか下なのか、正面なのか横なのか、不安定な視点で描かれていても
どしりとした安定感をも持つのは丁寧に描き込まれているがゆえなのかもしれない。
田中 玲奈作
色の融合具合やさしい風合いはまるで水彩画のよう。
離れてみれば見るほどその魅力と美しさが増し、作品に吸い込まれそうになる作品だ。
絵の具を生命体のように表現できるって素敵。
大石 果林 / 田中 玲奈 / タナベ ルン 『さんにんてん』 2016.3.20 - 2016.3.26
展示は3/26まで。静かながら確かにある表現への愛を感じながらみていただきたい。
ぜひ、足をお運びください。
【使用スペース:EAST302】
DF STAFF ASUKA