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ユウキとロッシ 『完全素人純愛デストロイ -Ballpoint pen Drawing V.S. Mixed media-』



「恋の始まりから終わりまでをみつめていた」
純愛という名の空虚は破壊を迎えるのか?

Massimo Rosshi(Rosshi) http://massimo164.blogspot.jp

ユウキとロッシ
『完全素人純愛デストロイ -Ballpoint pen Drawing V.S. Mixed media-』

うっすら18禁です ご注意下さい
なんて手描きのアテンションが入口に掲示されていましたが、
迷わず、入室だ!!






性的な作品とはどのようなものぞ?
と考えながら入室した先にあったのは、
まるで男の子の部屋。
男性ではなく、男の子だと思う。

「性」に対して、
興味を持ち、好意を持ち、行為も持とうとする、
前向きで背徳的なキモチの現れ。


「2 川の流れを見つめていたふりをする」


浅野いにお的な青臭さが部屋に漂っていて、
時期は「ソラニン」だと思う。
男の子目線が同性である私には痛く、響く。

ズキズキするのは、絵空事では決してない。
現実に近すぎるから、そう思い、そう感じるのだと思う。


「4 いいよ」

ふと気付けば彼の家。
膝丈より短いスカートの丈でその座り方。
無防備なのか、無意識なのか、誘っているのか。
タイトルのシンプルさが妄想/想像をかきたてる。

しかし、下着は暗闇に隠れるし、
表情は目元を隠している、想像を誘う。


「8 愛撫」

ここまで文章を書いて、
あぁ、今自分は田んぼの横の側溝に落ちていたエロ本を
拾い上げ、家に持ち帰るまでの帰路を辿っているのだ!
そんな気分にいることに気付く。

レイヤーのように加工が施された画面は、
まさにアナログなエロ本である。
湿気で萎びたり、日光で日焼けしたりのそれである。




あぁ、冷静になろう、なるべきだ。
絵画作品のご紹介に移ろう。

ボールペン画が持つ、
あの不安定さ、不協和音はなんだろう。
破り取られたルーズリーフとオーソドックスな画鋲の組み合わせも良い。

一本の線を構成する為に、
何度も何度もペンを往復させる。

大変後ろ向きなメッセージが、
不思議と前向きに見えてくる不思議。


「Tableau Ⅱ」
「Tableau Ⅲ」

ふくよか、豊満なボディに長い髪、濃い化粧が映える、
というのは主観なのかどうなのか。バックのゴールドもさえている。

対して2枚目の作品は、高校生くらいの年齢だろうか。
形の良いバストに対して品良く整ったボディと暗雲。


「12promise」


私たちは純愛と平和をめざしています

展示会のキャプションの最後に、
そう綴られていた。

純度が高過ぎたら、誰かを殺すかもしれない。
行方がわからなくなってしまうかもしれない。

それは平和なのか、地獄なのか。
純なるものがこの世にどれほどあるだろうか、
平和とはどのような状態を示すものか。

考えは尽きないけど、「純愛」と「平和」
この二つの言葉は二人の作家が出した、確かな答である。

誰しもがテンプレートの枠から外れて、
理性のタガを外して、己の愛に突き進んだら、
どれほど世界は変わるだろうか。


ユウキとロッシ 
『完全素人純愛デストロイ -Ballpoint pen Drawing V.S. Mixed media-』
会期:2015.12.25 - 2015.12.27