「恋の始まりから終わりまでをみつめていた」
純愛という名の空虚は破壊を迎えるのか?
大高佑紀(Yuki) https://www.facebook.com/yuki.250
Massimo Rosshi(Rosshi) http://massimo164.blogspot.jp
ユウキとロッシ
『完全素人純愛デストロイ -Ballpoint pen Drawing V.S. Mixed media-』
うっすら18禁です ご注意下さい
なんて手描きのアテンションが入口に掲示されていましたが、
迷わず、入室だ!!
性的な作品とはどのようなものぞ?
と考えながら入室した先にあったのは、
まるで男の子の部屋。
男性ではなく、男の子だと思う。
「性」に対して、
興味を持ち、好意を持ち、行為も持とうとする、
前向きで背徳的なキモチの現れ。
「2 川の流れを見つめていたふりをする」 |
浅野いにお的な青臭さが部屋に漂っていて、
時期は「ソラニン」だと思う。
男の子目線が同性である私には痛く、響く。
ズキズキするのは、絵空事では決してない。
現実に近すぎるから、そう思い、そう感じるのだと思う。
「4 いいよ」 |
ふと気付けば彼の家。
膝丈より短いスカートの丈でその座り方。
無防備なのか、無意識なのか、誘っているのか。
タイトルのシンプルさが妄想/想像をかきたてる。
しかし、下着は暗闇に隠れるし、
表情は目元を隠している、想像を誘う。
「8 愛撫」 |
ここまで文章を書いて、
あぁ、今自分は田んぼの横の側溝に落ちていたエロ本を
拾い上げ、家に持ち帰るまでの帰路を辿っているのだ!
そんな気分にいることに気付く。
レイヤーのように加工が施された画面は、
まさにアナログなエロ本である。
湿気で萎びたり、日光で日焼けしたりのそれである。
あぁ、冷静になろう、なるべきだ。
絵画作品のご紹介に移ろう。
ボールペン画が持つ、
あの不安定さ、不協和音はなんだろう。
破り取られたルーズリーフとオーソドックスな画鋲の組み合わせも良い。
一本の線を構成する為に、
何度も何度もペンを往復させる。
大変後ろ向きなメッセージが、
不思議と前向きに見えてくる不思議。
「Tableau Ⅱ」 |
「Tableau Ⅲ」 |
ふくよか、豊満なボディに長い髪、濃い化粧が映える、
というのは主観なのかどうなのか。バックのゴールドもさえている。
対して2枚目の作品は、高校生くらいの年齢だろうか。
形の良いバストに対して品良く整ったボディと暗雲。
「12promise」 |
私たちは純愛と平和をめざしています
展示会のキャプションの最後に、
そう綴られていた。
純度が高過ぎたら、誰かを殺すかもしれない。
行方がわからなくなってしまうかもしれない。
それは平和なのか、地獄なのか。
純なるものがこの世にどれほどあるだろうか、
平和とはどのような状態を示すものか。
考えは尽きないけど、「純愛」と「平和」
この二つの言葉は二人の作家が出した、確かな答である。
誰しもがテンプレートの枠から外れて、
理性のタガを外して、己の愛に突き進んだら、
どれほど世界は変わるだろうか。
ユウキとロッシ
『完全素人純愛デストロイ -Ballpoint pen Drawing V.S. Mixed media-』
会期:2015.12.25 - 2015.12.27