ARTIST
saru(@saruphoto)
錆島りろぽ(@rilopon_photo)
二人のカメラマンによる写真展。
「かわいい主義」と「少女ノスタルジー」をテーマに撮影された
少女たちのポートレート。
錆島りろぽ(@rilopon_photo)
黒いフレーム、黒いマットの奥に
閉じ込められた少女と風景。
少女がまとう真っ白なワンピースは、
空の青さ、草の色、地の色とは区別され。
同じ色を共有するのは唯一、
垂れ下がる紙垂(しで)のみである。
服装が与える印象は、その土地柄にも大きく影響する。
この場所では大きく受け入れられていた、
又はスルーされていたものが、
また別の場所では異質なものとして扱われることがある。
彼女の白いワンピースは、
写真の中で、正に後者、異質なものとして。
色付いた周囲の中に、
余白を持ち込むように。
錆島りろぽさんの額装作品は、
全てモデルの表情が伺えない構図で完成している。
また、モデルさんに話を伺った所、
撮影時には投げ出した足の角度等、
細かに指示が出されるのだという。
夕日が昇り、周囲をオレンジ色に上書きした際、
更に少女の表情は遠ざかってしまう。
ノスタルジーとは、一つ、
もう届かない場所にある存在なのだと思う。
saru(@saruphoto)
続いてご紹介するsaruさんの作品は、
モデルの表情を大きく捉えた写真作品が並ぶ。
そしてモデルに対してあまり指示は出さず、
少女たちが自ら発した姿を撮影するのだという。
saruさんが撮影するのは
「 かわいい女の子たち 」
言葉にするとシンプルだけど、
私たち男性が女性を見つめるときの
素の気持ちって、そこにあるような気がします。
DMにも登場したこちらの作品。
今展示会の起点になったとのこと。
女の子を見つめる、真っすぐなカメラ越しの視線は、
作品の中にいる女の子を見つめる自分と同じなんじゃないだろうか。
鑑賞者だって、
「自分もこの構図で彼女を見てみたい」と思うのではないか。
また、ガラス張りの葛西臨海公園展望広場で撮影された今作品は、
たくさんの光を内部に取り込んで、
その内部に居る彼女の表情を四方から照らし、
あますことなく、彼女の魅力を表に出してくれた。
最後にご紹介するsaruさんの写真作品。
撮影地は代々木公園とお聞きしました。
撮影時期はまだ暑かった七月頃。
彼女はアイスクリームの後半戦の最中に、
ふと意識がアイス以外に向く。
その矛先は何なのか?
すぐ横に鑑賞者が居たとしたら、
誰もがそれを問うことだろうと思う。
視線は固定したままで。
saru×錆島りろぽ
会期:2014.11.28 - 2014.11.30
(ぱんだ)