バナーエリア

このブログを検索

大人になりたくありま展



増子梓紗さん 木村花子さん 瀬尾菜奈絵さん

杉野服飾大学に在学中の三人によるグループ展。

「大人になりたくない」という思いを
「服」という形にして、展示/受注会を開催。






瀬尾菜奈絵さん

三人とも初めての展示/受注会だというのに、
どこぞのセレクトショップの装いである。

過剰を切り捨てて、適切な余白と共に
ハンガーラックに並ぶ瀬尾さんの計四着。
美しいまとまりを得ている。




瀬尾さんにはおすすめの商品を二着ご紹介頂きました。
一着目はトップス!
首元がゆるーくタートルネック状態になっています。
モノクロになりがちなこれからの季節に
サッと飛び込む鮮やかな赤み。




瀬尾さんの二着目は自信作のセットアップです。
丸みを帯びた袖口はくるりと折り返すと、
光沢のある裏地がアクセントとして登場。
パンツの素材はしっかりとした圧縮ウールを使用し、
肉感のあるシワがスカートの表情を作ります。

今後もセットアップは積極的に作っていきたいとのこと。

THEATRE PRODUCTS や l'atelier du savon 等の
ブランドの服を好んで着るという瀬尾さん。

シンプルな造形の中に華を持たせたアイテムが出揃いました。




木村花子さん

SECRET BASE (秘密基地)をテーマに
計六点を制作された木村花子さん

誰にも知られないようにしまい込んだ
(でも実はびっくりするほどバレている)
大切なもの、そしてその頃の気持ちを服に織り込む。

木村さん、普段はモノクロの服を好んで着ており、
ブランドにこだわらず、手に取った服と個々に対面して、
自分の服をお買い求めになるのだとか。




さて、木村さんにはご自身で制作された
「ジャケット」を着て頂きました。

春頃に着るイメージで作られたジャケットは、
生地も薄めで、ボリューム感もおさえられ、
前ボタンは設けられておりません、
広がるような視覚的特徴を持つ前身頃が印象的。
是非、一枚前の写真と見比べて違いをご覧下さい。

ダークトーンの衣装との相性はバッチリ。
ポケット部やパンツの側面などに登場する
ちょっとしたアクセントにも注目して欲しいとのこと。





増子梓紗さん

「SCOTCHANNEL」というブランドとして
ファッションアイテムを制作する増子梓紗さん

増子さんのニックネームは「すこっち」
そこへ、TV番組をザッピングするイメージを掛け合わせて
「SCOTCHANNEL」というわけです。

ブランドイメージは増子さんが大好きな
「少女漫画」からの影響を受けています。




「少女漫画」から受けたインスピレーションが、
見た目にも明らかな程、強く表出した益子さんのアイテム群。
今回は四人の登場人物を想定し、
その四人が着る衣装というイメージにて制作されています。

増子さん 一点目「元気っ子ちゃん トップス」

SOU・SOUの生地が用いられた
ショート丈の「元気っ子ちゃん トップス」と、
併せてショート丈のサルエルパンツ(グリーン)




増子さん 二点目「黒くんシャツ」

ビッグシルエットのシャツは、
男性でも女性でもゆるっと着ることが出来る。
また、そのゆとりが着こなしの上で自由度を高くする。
(併せてビッグシルエットのパンツも御座います)

益子さんはアクセサリーもお作りになる、という話から、
例えば上はヘアアクセから下は靴下/靴まで。
想定したキャラクターのトータルファッションを
展示会の中で見せたりしても面白いですね。
なんて話が弾みました。


- - -

展示会の感想を益子さんとお話する中に現れた、
印象的な言葉を勝手ながらご紹介させて下さい。

"今回、初めての展示/受注会を行いました。
その中で、誰かが自分の服を着てくれることは、
自分の服が売れる事以上に嬉しいなと思いました "

服は飾るものじゃない。
服は縫製が終わったら完成じゃない。

服は着る人の体系によって、そのシルエットを変えたり、
また着る人の印象さえも変えてしまう。
そう、誰かが着ることで服として機能する。

見てもらうだけじゃなくて
着て、欲しい。

私は衣類を作ったことが無い立場の人間として、
そんな瞬間に立ち会う事が叶った、
増子梓紗さん 木村花子さん 瀬尾菜奈絵さんが
とても羨ましいなと思ったのです。

これも勝手な願いになりますが、
どうか、今後も作り続けて頂きたいと願っております。

ありがとうございました。
とても素敵な瞬間に同席させて頂きました。

(ぱんだ)