千歳、ささぴょん、三橋康弘、タカオカトモアキ、森エリー
五人の作家による作品展
『 平凡密度 』
WEST : 1-D にて開催中
「美菜-たまねぎ/平凡密度バージョン-」 ささぴょんさん |
たまねぎって、どっしりとしていると思う。
何枚もの皮に包まれて形作られているたまねぎ。
たまねぎを食べるとき、私たちは皮を食べているのだ。
密度という言葉が似合うモチーフである。
タカオカトモアキさん |
個人的な思いですが、黒い細縁のフレームが大好きです。
小声だけど、力強く主張し、内容を際立たせてくれる。
そんな立ち位置にも似た、写真作品だと思う。
どこかの曲がり角。
だれかの家の敷地を越えた枝木が、
振り返った彼女の表情を少し隠す。
景色と同化しそうな服装を着て、
こちらに意識を向ける。
言葉にならない言葉があるような気がして。
「 この駅であなたに出会うとき 」 三橋康弘さん |
同じ駅を利用する者同士の間に湧き上がる
不思議な気持ちの繋がりを取り上げた作品。
偶然は必然で、必然は偶然。
撮影された時間帯、フレーム、マット、構図など
複数のものが相対する位置にありながらも、
互いを引き合う。
会場内の一つの角を経て、向かい合うように配置するという構図も、
にくい演出です。
「 Hajimari 」 森エリーさん |
計三枚組みの写真作品より、一枚をご紹介致します。
白い壁面、白フレーム、白マット。
その最深部におさめられている写真はモノクローム。
写真を清めているようにも見える。
被写体は陰影のコントラストが印象的。
書き割りのようで、景色と被写体が分離した上で、
この情景を構成している。
「 allein 」 千歳さん |
今展示会中、唯一の絵画作品を制作されている千歳さん。
風景画は、展示されている季節にも呼応するから、
この時期の夜の肌寒さを想像しながら見てしまう。
春や夏には生い茂っていたであろう、
花びらや葉は消え失せて、
裸にされた幹がシルエット姿で描かれている。
この一枚に彩を与える存在は、
木々自体ではなく、
鮮やかなグラデーションをまとった夕景で、
触ることができない存在で語る。
『平凡密度』
千歳、ささぴょん、三橋康弘、タカオカトモアキ、森エリー
開催期間: 2014.9.13 - 2014.9.15
(ぱんだ)