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日本女子大学写真部 [201,202:6/23-24]

日本女子大学写真部です。
キャンパスが二つあって、こちらは目白キャンパスの写真部だそうです。部員は二十人弱だそうですが、作品点数は多く、201,202の2スペースを使ったボリュームのある展示となっています。

 一つのテーマの元にみんなで展示する企画展示と、一人ひとりの自由展示に分かれています。
こちらは今回のテーマ展示「モノカラ」です。それぞれが色んな色の写真を持ち寄り、色ごとに並べました。色が偏らずに、均等にばらけていて綺麗です。テーマ展示もあってか、個々の作品もほとんどモノクロがなかったため、展示空間が全体的にカラフルだなと感じました。

その場にいた何人かの部員に作品の話を聞きました。
 富加見さん
タイトルは『とりのこされたボートたち』
タイトルを見なくとも、ボートからなんとも言えない哀愁が感じられます。他にも花や風景の写真がありましたが、どれも意図的にピントがぼやけていて、ノスタルジックな印象。
圓谷さん
タイトルだけではなくしっかりとしたキャプションを写真それぞれにつけていました。また、たくさんのフォトブックも一緒に展示していて、ものを作る事へのやる気を感じました。

日下さん
広島の原爆投下の8/6に生まれたことから、いつか行きたいと思っていた広島。壁に展示してあった写真だけではわからなかったのですが、その広島旅行を一冊のフォトブックにまとめていて、そこに綴られた日下さんの想いやコメント付きのスナップ(前半は軽い感じで始まります)を見ているうちに、日下さんのメッセージがじわじわ伝わって来ました。
こちらがフォトブック。橋の向こうを想像しながら、勾配の急な橋を上っている日下さんの様子が伝わってきます。行ったことのない私まで日下さんの記憶を追体験できるような写真。
ラストにびっしりと綴られた、想い。行って、写真を撮って終わりではなく、振り返ってそれを展示して、一冊にまとめるという作業をしているところが素敵だなと感じました。

こちらもいいなと思った一枚。
鈴木さんの『ふるさと』
本当に綺麗な場所です。ただ「旅行に行って感動して綺麗な写真を撮りました」というのではなく、鈴木さんの故郷への愛を感じます。例えば鈴木さんは故郷に様々な想いがあって、土地に愛着を持っているのでしょう。だから、綺麗に撮れるのだろうなと思って、そういう「想い」の部分にいいなと思いました。誰かにとってはいつも見ている当たり前の風景を、鈴木さんは「綺麗だな」とシャッターを切れるのだろうなと。

そしてアンケートの「気に入った写真はありますか」という問いに対して、私が真っ先にあげたのが上の川根さんの作品。川根さんの写真は、撮っている人の姿(個性)が見えるような写真だと思いました。多くの人が足を止めるような風景ではないと思います。でも川根さんは「これだ!」と思い(大げさに言えば感動し)、写真に撮った。「私はこれをよいと思いました。これを見せたいんです」というメッセージが明確に伝わって来ました。
これも川根さんの写真。上の写真と併せて見ると、川根さんにとって何が心に引っかかったのかが、少し見えて来ます。川根さんの感動ポイントはなかなか個性的。言ってしまえばフェティシズムさえ感じられます。二枚しかなかったので、もっと他の写真も観たいなと思いました。あとは先日モノクロの撮影・現像・プリントも体験したそうなので、それも観たみたいですね。

蛭川さんの作品
上段が子どもの、下段が食べ物。でも蛭川さんの中では撮りたいものは一緒なのかなと思いました。すでに「私の写真」というスタイルがある程度あるのかなという、蛭川さんの作為が感じられる。フィルムも撮っているのですが、今回は部室の器械が壊れていたので出せなかったそうです。次回の展示前には直っているといいなと思いました。

紹介出来なかった写真も沢山あるけれど、少人数の割にそれぞれが主体性を持って活動しているのかなと感じました。来年も楽しみにしています!

DF STAFF KOZUE