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『クワイエット』梶原喜明


WEST : 1-B
三人のカメラマンによる写真展『クワイエット』
"静寂"という言葉が馴染む写真作品。

今回は梶原喜明さんの作品をご紹介します。


被写体との距離は中〜近距離。

モデルとの関係性、立ち位置が伺えるけど、
肌と肌が触れ合わない距離。

冷ややかな色彩の中で、イエローがほのかに目立っています。
暖色であります。


モデル、モチーフからは北欧の香り。
しんしんと雪が降っている図を想像してしまう。

でも外には緑が見えていて、
そんな寒さの到来はまだ先のこと。
春の到来の季節であるのか。


フレーム内部において、最も主張しているのは人物でした。
人物との境界線が明確であり、
バックグラウンドは素材という役目から逸脱していない。
大げさに言うならば、レイヤーごとにパーツを分けているかのよう。

それは流れる映画フィルムの一部を切り取るというよりも、
切り取りたくなる一瞬をたぐり寄せるイメージ。


明確に「切り離し」を行っている画面構成を見るに、
既に切り取りたい意識を感覚として掴んでいらっしゃるのでしょう。

梶原さんが掴んでいる『クワイエット』というテーマ、
どういう形なのかな?
物として、言葉として受け取ってみたい。

是非、皆さんも推察してみてください。

(ぱんだ)