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立山 柚子 『サーカス君memo』


EAST : AP-6

彼女がスロウアートに参加してくれると決まったとき、
僕が勝手に望んだことは、
一人でも多くの人に彼女の作品を知って欲しい、ということでした。

今回は展示というより、彼女。
立山柚子さんについて綴ろうと思います。


僕が柚子さんに初めてお会いしたのは数年前のデザインフェスタ。
ブースの隙間を抜けて、散策していたときのことです。
ふと視界に入った、鋭い線で形成された人物画。
通り過ぎて、数歩歩いて、ふと立ち止まって、数歩戻って。
彼女のブースの前に吸い寄せられました。

それから月日が過ぎて、今度はDFG原宿でお会いする機会が増えました。
話すのはいつも展示/作品のこと。
そして、柚子さんとお話するとき、いつもこんなことを伝えています。

-あなたの作品はうまく飲み込めないのです-


彼女は、クラウン(道化)/ピエロを描いています。
僕ら日本人の生活とはかけ離れた、異質な存在と、
創作行為を通して、彼女は歩んでいる。

彼らは隣に歩く彼女のことなど気にもくれず、
変則的な行動で彼女を置き去りにしようともする。
以前、彼女は教えてくれました。

「そんな彼らに追いつかなければと、いつも必死です。」


彼女はクラウンを "描いて" いるのか?
クラウンは自ら望んで彼女のそばにいるのか?
だとすれば、なぜ?

柚子さんの作品に興味を持つということは、
彼-彼女らの関係性に興味を持つということに他ならないのです。

そして、僕は興味がある。

こんな所で言うのはアレかもしれないのですが。
彼女はすごいですよ。
どれだけの数のクラウン/ピエロと出会ってきたんだろう...



「こういう感じにしてみたらどう?」
なんて声をかけて、次に出来上がった作品は、
僕の想像を手玉に遊んでしまう。

今回もやられた。
画材とキャンバスサイズについて提案したら、
僕の頭に両足乗っけてにやにやする彼が居た。
やられた、その心地良さがたまらない。

だから、
彼女とクラウン/ピエロにはどんどん高みに登ってもらいたい。

僕や観者なんかに捕まらないように。

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展示期間は今週の土曜日までとなります。
まず、ややこしいことは抜きにして、彼女のひねくれた作品に出会って下さい。


(ぱんだ)