写真で伝える会
『噂の写真展2019』
2019.10.29-2019.11.4
at EAST 101
毎秋恒例、写真家有志の団体「写真で伝える会」による大規模写真展が開催中!
「写真で何かを伝える」という強い信念を持ったフォトグラファー集う、熱量の高い写真展です。
EAST 101をフル活用して構成されているこの展示。
今回は32名のフォトグラファーが集まり、作品を持ち寄っています。
毎回参加されている方も、初参加の方も共通して言えるのは、確かなメッセージを作品に込め、伝えるという強い意志が作品から垣間見えるということ。
今年で9回目となるこの展示ですが、その度に各々がテーマを設定していて、説得力のある作品が並んでいます。
渡辺 邦斗『one soul』
店に入り席について、注文すれば当たり前のように出てくるラーメン。
その裏にはこんなドラマが隠されていたのか、と新しい世界を見せてくれる骨太なドキュメンタリー作品です。
湯切りの際の躍動感やその真剣な眼差し、汗の滴る臨場感が写真越しにビシビシと伝わってきます。その裏にある苦労や努力を見れば、目の前に出される珠玉の一杯を食べてみたいと思えてきます。それくらいリアルな写真です。
平山 直子
昨今のデジタル技術の進化は目をみはるものがあって、高感度耐性、手振れ補正などなど、誰でも綺麗な写真を撮るための機能がどんどん高精度になっています。
綺麗な写真、とはつまり失敗しない写真のことで、それはピンボケだったり手ぶれだったり被写体ブレを指すのですが、そんな「失敗」が許される、いやむしろそれらの要素が写真をより情熱的なものに高めてくれるのが「ライブ写真」なのです。
ということを、この作品を見てしみじみと実感しました。現場の熱や音までもがダイレクトに伝わってくるような、躍動感のある構図でバンドのグルーブ感が表現されています。
aic
チェキのスクエアフィルムで撮影したポートレート。
チェキやポラロイドって複製可能メディアと言われる写真の中で、考え方によっては唯一「複製不可」のメディアなんですよね。
そう考えてみると、ポートレイトという主題を扱っていることもあって生々しいような、たしかな体温が感じられるような作品です。1枚で伝えようとするのではなく、断片的に、とても丁寧にストーリーが紡がれています。
新橋 克裕
「写真で伝える会」の代表であり、毎年出展をしている新橋さんの今回の作品は、深夜の原宿を捉えたストリートスナップ。
私たちにとってとても馴染み深いこの街も、深夜となると一変して表情を変えます。
もともと服飾関係の店舗が多いため20時以降は昼間の喧騒が嘘みたいに静まり返るのですが、だからこそこうやって人のいない街の姿が、なんだか異世界のようにも見えてきます。
毎度の事で恐縮ですが、この記事で紹介した作品はほーーーんのごく一部。
すべての作品をじっくり、味わうように見て欲しいので、ぜひ会場に足をお運びください。写真好きは必見です。
【出展スペース:EAST 101】
DF STAFF isaka