EMKI /GASO/Haruki/Katsumi/Kenshiro/Nanami/Nuts Tokyo
『Photography Pop Up Show #01』
2021.6.25-2021.6.27
at WEST 2-A
『写真を「観る」から「買う」へ』をキーワードに、アート作品としての写真のプリントや販売にフォーカスして企画されたグループ写真展『Photography Pop Up Show #01』が開催。気鋭のスナップシューター7名の作品が集結した濃密な展示となっています。
SNSの普及により、写真はもっぱら液晶画面を通して観る時代となった昨今。
雑誌をはじめとする紙媒体の不況も相まって、フィジカルで写真をじっくりと観る機会は少なくなりました。
フィルム写真が流行っているとはいえ、データ化してSNSに載せる人が大半という中、モノとして、アート作品としての「写真」を楽しんでほしいという思いから開催されたのが本展示。
5名からなるTokyo Street Photography Club（Tokyo-SPC）のメンバーを中心に、総勢7名の写真家の素晴らしいプリントが並んでいます。
スペースに入りまず初めに迎えるのがKatsumiさんによるモノクローム作品。
海外在住経験のあるKatsumiさんは、その生活の中で収めたストリートスナップを自宅暗室でプリントしています。
フィルム特有の粒状感と締まった黒がアクセントとなり、一枚一枚の存在感があるプリントが並んでいて、一瞬の出来事を収めたこれ以上ない構図はまさにスナップシューターの仕事。イメージサイズ周辺を黒い枠が囲っていますが、これはアンリ・カルティエ・ブレッソンの作品に代表されるようにノートリミングということの証明でもあり、一瞬で構図が完成されていることを意味します。
Tokyo Street Photography Club（Tokyo-SPC）の発起人でもある永田優介さんの作品。プリントはエディション付きで購入もできます。
写真の歴史が始まった黎明期から数々の写真家の題材であり続けるニューヨークの街をスナップした一連の作品。そこに集う人々の機微がありありとドキュメントされた作品群は、ほんの少しの俯瞰の距離感が取られることで、鑑賞者自身も永田さんの目を通してニューヨークを闊歩しているような没入感を感じさせます。
ベタ焼きをそのまま額装した作品は、さらにその感覚を強固にし、まるで足跡をトレースしているかのようです。こちらはエディションユニークの1点ものです。
これまでご紹介した作品が「動」だとしたら、こちらの垂 春輝さんの作品は「静」的な作品。
写真を撮る際には無意識に構図を重視していることが多いそうで、画面内の線や形が整理されたコンポジションの写真が並んでいます。そんな完成された構図からか、スナップではあるもののどこか静謐さを感じます。
本作において垂さんは、昨今スナップシューターが向き合わなければいけない課題、とくにコロナ禍により顕著になった、日本という国特有の全体主義的風潮や同調圧力など、自身の感じる窮屈さをストリートスナップにより表現しています。
陰影が生み出す線が交錯する構図と、鮮やかな赤が印象的な写真。
規制線、境界を引く役割で使用されるカラーコーンが象徴的に写し出され、本作のコンセプトを現しています。
こちらも、展示作品は全てエディション付きで、ブローニーのポジフィルムで撮影した作品については、スライドフィルム付きの証明書によりユニークであることが保証されています。
スライドは、光に透かして見て観るとその美しさに惚れぼれするので、ぜひ会場でご覧ください。
観るだけでなく、所有することもアートの楽しみ方の一つですが、それは写真も同じ。
複製可能メディアという宿命を背負い、あまつさえデータという形のない方法で鑑賞することがむしろ主流となりつつある写真作品ですが、だからこそフィジカルで思う存分堪能してほしい。本展示に並ぶ作品からはそんな意思が伝わってくるように思えます。
四の五の書き連ねてしまいましたが、紹介しきれなかった作品も含めとにかくカッコいい写真が並んでおりますので、必見です。
ぜひ足をお運びください。
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参加写真家：
EMKI （IG： @e.m.k.i ）
GASO （IG： @gaso_0131 ）
Haruki （IG： @haruhui32 ）
Katsumi （IG： @katsumi5394 ）
Kenshiro （IG： @kenshiroolling ）
Nanami （IG： @nanami_street7 ）
Nuts Tokyo （IG： @_nuts.tokyo_ ）
【 展示スペース WEST 2-A 】
staff isaka
staff isaka
