OTOME no JUKAI 『OTOME』
2021.4.16-2021.4.22[EAST 102]
都立総合芸術高校の卒業生仲良し6人組のオトメでパッショナブルなグループ展が開催中です。
高校在籍中に学内で開催したという「otome展」を、それぞれ美大や専門学校で学びを深めている今、改めて6名の成長が感じられる展示会となっております。
一部となりますが、展示の模様をご紹介いたします。
森 乙樹
現在多摩美術大学にて日本画を専攻されているもりいつきさん。
一見日本画とは思えないレトロポップなカワイイが詰め込まれた作品群は、ビビッドな色使いがとても印象的で、乙女心をくすぐります。お化粧、スイーツ、カワイイものはぜ〜んぶ好き!という煌びやかさの中に、日本画のマットな質感が調和し、見れば見るほど女の子たちの魅力に惹かれていきます。
金 信英
東京藝術大学デザイン科に在籍中の金信英さんの作品は、緻密な線画の上に、ぽっこりと浮かぶコミカルなお花たち。
角度を変えてみても、キャラクターと影だけがそこに存在しているように浮いて描かれている様子がとても不思議で、その技術力に圧倒されます。
平面でありながら視覚の奥行きがとても面白く時間を忘れて見入ってしまいますね。
友沢こたお
圧倒的な描写力とキャッチーなモチーフで現在注目が集まっている友沢こたおさん。
代表的な人形や人面の顔にスライム状のものが垂れ落ちているシリーズは、シチュエーションとしてとてもキャッチーで、その大胆さと写真と見紛うような写実力に思わず息を飲みます。
赤ちゃんにスライムが垂れている様子は、そのベビーピンクの色味も合間って不思議とかわいらしく見え、むしろポップさが引き立ちます。
佐藤琉那
武蔵野美術大学で木彫を専攻されている佐藤さんの作品タイトルは、ずばり《Lips》。
大きな赤い塊は、角度を変えてみるとその名の通り唇がモチーフとなっています。
3つの唇が外に向かって造形されている様子は、その形状そのものがとてもユニークで、貝殻のようにも見えます。
しゃがんで下を覗いてみると、真っ白な白い球がひとつ。まるで真珠のようにも見え、真っ赤なルージュとのコントラストがとても煌びやかで、女性性がより華やかに感じられます。
石橋音芽
バンタンデザイン研究所にてファッションデザインを学ぶ石橋さんの作品は、衣装のように目を引くデザインでありながら、日常使いをすると思わず振り返ってしまうようなドキッとするお洋服の数々。
デザイン画にも起こされているように、二次元にも三次元にも相性のいい、絶妙なバランスのデザインで、手にとって拝見してみると様々な想像が膨らみワクワクが止まりません…!
沖野里欧奈
こちらは沖野里欧奈さんの作品群。大振りの毛糸やフェルトで作られたワンピースに、コミカルなキャラクターがプリントされた浴衣、そして洗練されたパターンが美しい織物と、大きくパターンが異なる3作品から、沖野さんの表現の幅の広さが伺えます。
特に織物の作品はとてもシンプルでありながら、配色へのこだわりや一糸乱れぬ美しいラインがとても印象的で、その丁寧な制作過程をより強調しているよう。
3年間を共にし、そして現在に至るまでそれぞれの道で切磋琢磨を繰り返してきた彼女たち。
道は違えど、本気で芸術と向き合っている姿勢が各々の作品から力強く伝わり、その絆の深さのようなものも感じられる展示会となっております。
楽しく本気でやりたいことをやる。
そんな気概も感じられる見応えたっぷりの展示会は4/22(木)まで。
気持ちの良い季節にぴったりの風通しの良い展示空間をぜひお楽しみください。