5組のアーティストの「卒業」。
気になる作家さんを是非事前にチェックしてみてくださいね!
気になる作家さんを是非事前にチェックしてみてくださいね!
春といえば、出会いと別れの季節ですね。 慣れ親しんだ環境に別れを告げ、新しい一歩を踏み出す人も多いと思います。
そんな時節、デザインフェスタギャラリーでは、これからの日々を少しでも晴れやかな気持ちで歩いていけるよう、桜の花が咲き始める頃に、誰もが参加できるみんなの『卒展』を開催いたします。
新しい一歩を踏み出すきっかけ作りをしたい人、これまでの集大成として作品を披露したい人、様々な事情で展示機会を逃してしまった人、これまでの作風をガラッと変え、心機一転を図りたい人など。それぞれに理由はあれど、華々しく春を迎えてみませんか?
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企画展名:卒展 -SOTSUTEN-
開催日時:2021.3.21(日)〜 3.27(土) 1週間 ※最終日は19:00まで
開催会場:DESIGN FESTA GALLERY【EAST 301/303】(6ブース)
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こちらのブログではEAST 303で展示中の2組の展示の模様をご紹介いたします。
H:藤田膿
K:光山美由貴
展示レポート Part.1はこちらから!
「卒業」を広義に「新しい一歩を踏み出すきっかけ」と捉え5組のアーティストが集まった『卒展-SOTSUTEN-』。EAST 303では藤田膿さん、光山美由貴さんの二人が出展中です。
藤田さんは絵画作品を中心に構成したインスタレーションのような空間を、光山さんはロウを使ったオブジェクト作品を展示。EAST 303はそれぞれ全く違った形態の作品が同居する空間が出来上がっています。
藤田膿
こちらが藤田膿さんの展示スペース。
大小さまざまな絵画作品が不規則に並べられ、画材類が無造作に置かれていて、自身の作業場を再現したかのようなたたずまいをしています。
そのためか、ここに並んでいる絵画作品がまるでいま生まれ出たかのようにエネルギーに漲っています。
絵筆やパレットまでもが何かしら意味を持つ作品となって目の前に現れています。
ここを出発点として、L字型のスペースに作品が放たれているような空間構成となっており、まさにここだけが独特の世界が出来上がっていて、一度立ち止まるとなかなか動けなくなるような力があります。
絵画作品には主に人物が描かれていますが、心象風景を描いたような曖昧なイメージ。
写真の作品は群衆の足元が描かれているようですが、背景と前景にはなにもなく、夢の中で見た場面を写し取ったかのよう。そのためか現実の風景にはない浮遊感があり、おもわずじっと見入ってしまう不思議な魅力があります。
藤田さんはこの春大学を卒業する予定で、まさにこの展示が「卒展」となります。
これまでの集大成のような作品となっていますので、お見逃しなく。
藤田 膿
プロフィール
1998年 神奈川生まれ、東京育ち
2021年 和光大学卒業予定
主な展覧会、受賞歴
2018 FUKUIサムホール美術展 入選(飽田 虞虞 名義)
2018 自我展 出展(デザインフェスタギャラリー )
2018 サトヤマアートサンポ 出展(飽田 虞虞 名義)
2019 東京インディペンデント 出展(東京藝術大学)
2019 アートオリンピア 準佳作(飽田 虞虞 名義)
光山美由貴
藤田さんの作品のちょうど対角にあるのが光山美由貴さんの立体作品。
こちらもインスタレーションに近いような空間で作品の世界観を表現しています。
光山さんは平面作品も制作してこられていますが、最近はロウを使ったオブジェクトの制作に取り組んでいるとのこと。今回展示されている作品は特定のモチーフを表現しているというよりも、世界のどこかに存在するかもしれない、自然物のような趣があります。
光山さん自身『「儚さ」「心情」「記憶」など目に見えないものを表現していくこと』をベースとして一つひとつの作品を組み上げて行っているのだそう。そんな作品が数多くならんだこの空間は、まるで小さな理想郷のようにも思えてきて、穏やかな気持ちにさせてくれます。
こうやって近くで見てみると洞窟の中で形成された鍾乳石のような質感。
鍾乳石は何百年という途方もない時間を経て形作られるモノですが、光山さんの制作の源泉となる「儚さ」「心情」「記憶」もまた、時間をかけて人の中に蓄積されるものでもあります。
そう考えてみればこの作品の形も、一つひとつが必然性があるように感じます。
一人ひとりの感情が違うからこそ、その数だけ形が違う。
その作品が並ぶ様は荘厳で神秘的です。
光山美由貴
プロフィール
絵を描いたり、ロウソクを使いオブジェを制作したりしてます