工学院大学美術意匠部
『工学院大学美術意匠部 ~隔たり~』
2021.3.23-2021.3.25
at WEST 1-F
水彩、油絵、立体作品など自由な創作をモットーに活動する工学院大学美術意匠部の学外展が本年も開催中。
この時代ならではのテーマのもと、さまざまな作品が並んでいます。
工学院大学美術意匠部はおもに1、2年生からなる美術サークル。
年に一回の文化祭での作品展示のほか、弊廊での学外展も行うなど積極的に活動をされています。
今回のテーマは「隔たり」。
新型コロナウィルス感染症の影響で学校に行くこともままならない状況下で、この1年感じたのが内と外の「隔たり」を感じたといいます。ネガティブな要素ばかりが注目されますが、それでも明るい部分に目を向けようと作品制作に取り組まれています。
フラットな構図とミニマルなモチーフが印象的な櫻庭圭吾さんによる作品。
集合住宅を真正面から捉えた視点で、ベランダと思われる箇所には洗濯物が掛かっていたり、植物が飾られていたり、生活感が漂っています。
「隔たり」という言葉からは、「壁」だったり「差」だったり、突き放すような言葉が連想されることが多いですが、こうやってマクロ的にそれぞれの生活空間を観察してみると、みんな同じように日々を過ごしているんだなという安心感が感じられますね。
「未定」という古場慶大さんの作品は、二つの抽象的なドローイングが並んでいます。
キャプションには「自分を見つめ直すような感じ」という文章が添えられており、その言葉を念頭にもう一度作品を見てみると、第一印象よりも作品が内省的なものを描いているように見えて来ます。
向かって右側の作品は、展示テーマである「隔たり」を表現しているかのように、囲いの中に人(俗にいう棒人間)が浮遊しているさまが描かれています。
こちらは「隔たり」というテーマを遊び心いっぱいに表現した作品。
猫の上半身から向こうが絵の中に、下半身から手前は立体物としてこちら側に飛び出しています。画面左下の猫が不思議そうに見上げている表情がなんとも愛らしい。SF映画やアニメにも見られるようなシーンですが、二次元と三次元という隔たりを飛び越えて生き生きとしています。
こちらの記事で紹介しきれなかった作品も、テーマをユニークに表現した作品が並んでいます。展示は3/25(木)まで開催中ですので、ぜひ足をお運びください。