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Yehlin Lee 『顧みる時』

Yehlin Lee 『顧みる時』

2020.8.7  -  2020.8.9

[ EAST 302 ]

光と影を柔らかく表現されているYehlin Leeさん。日常に現れる光の美しさを独自の視点で絵画へと変換させています。Yehlin Leeさんが見ている世界を感じてみませんか。

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電車の音。車のクラクション。人の喧騒。聳え立つビル街。目が眩む電子の光。夜を飾るネオン。まるで濁流のように情報と人が流れていく都会中をかき分けるようにして私たちは生きている。

しかし、時にその必死さは我々の視界を狭めてしまう。

日常の隣にほんの少しだけ目を向ければ、自然の産んだ淡い光と影が色で遊ぶのが見える。その繊細な色彩は、繊細が故に直ぐに変化してしまう。そして当たり前であるが故にその存在は気づかれない。

日常の中の光と影による小さな変化を描くことで作り上げられた「顧みる時」。誰かがこの展示を通して、都会の喧騒から離れ、何かに顧みることが出来たのなら幸いである。

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Yehlin Leeさんは日常の中に現れる光を様々な画材で描かれています。主に油彩で描かれているようですが、色鉛筆やペン、版画作品も制作されています。どの手法であっても繊細で柔らかな光の表現は美しく、魅了させられます。

ライン状の光が特徴的なこちらの作品は、部屋のカーテンの隙間から差し込む光を描かれています。場所によって光の色が異なっているので、それぞれの光源がどんなものか気になってしまいます。カーテンの向こうまで意識させてくれる作品です。

美しいと言われる場所に出向くのではなく、日常の中で美しい所を見つけ出すYehlin Leeさん。他の人では気付かなかったような美しさを作品を通して伝えてくれます。

円状に広がるこちらの光は部屋の中の照明を描いたもの。


油彩以外の作品も漏れてくる光や柔らかなグラデーションを堪能できます。

Yehlin Leeさんは写真も撮られるそうですが、写真作品は展示されておりません。その理由の一つに、Yehlin Leeさんが表現したいもの以外のものも写真は写し出してしまうため、それらを全て削ぎ落とし表現したい部分だけを絵画にしているとのことです。

光と影の表現について常に挑戦されているようなので、これからの作品も楽しみです。

油彩作品の元となったドローイングも含め、多くのドローイング作品も展示スペースに設置されております。繊細な色彩ですので、直接のご鑑賞がオススメです!


作家情報

     Yehlin Lee

          twitter          idri_1537

          instagram       idri_1537

          hp                  idri1537


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