YUNA SUZUKI 『TODAY!』
2019.12.23 - 2019.12.25
[ WEST 1-D ]
ファッションや写真、絵画など様々な形で表現されている鈴木さん。エネルギーみなぎる作品に込められた想いに迫っていきます。
鈴木さんは、人々の生き方や様々な人生、思い出をもとに制作をされているようです。今回展示されている写真にはこれまでに関わりのあった方、家族や友人などたくさんの方が写っています。写真は衣装と一緒に展示されており、作品全体に込められた想いが伝わってきます。
こちらの作品は七五三と成人式がテーマとなっており、衣装の柄自体に当時の写真が使われています。二十歳になった時に20年間を振り返るとたくさんの思い出が蘇ってくることでしょう。写真があることで、断片的な記憶を少しずつ繋ぎ合わせてくれ、当時の気持ちを思い出させる時間旅行に誘ってくれます。
こちらの作品のタイトルは「skin」。SNSが普及している現代に直接メッセージを繋げられないかという考えのもと生まれた作品です。交換ノートのように好きなことを書き、たくさんの方へ回していくことで、全く接点のない人通しが繋がることができるというもの。現代ではネットを通じて世界の人とやり取りができる便利な世の中になりましたが、画面越しではなく実際に物として手に取り、繋がることの大切さを教えてくれます。
こちらは写真や雑貨が貼り付けられているポートフォリオ。鈴木さんの制作コンセプトを
知られるだけではなく、一つの作品としても楽しめるポートフォリオです。
衣装作品の他には絵画も描かれており、色彩豊かで明るい作品です。内容はメッセージ性が強く、心に響くものばかりです。
私を表すものとは何なのか。どんな衣装を着ていたとしても、私を表しているのはもっと内面的な部分なのではないのかと鈴木さんは考えます。衣服を脱ぎ去ったとしても、肌や血管、細胞と私はそれらを纏って生きているのだと。これからの生き方を見直したくもなる作品です。
こちらはコラージュによって半立体作品として鑑賞できます。画材に捉われない手法も鈴木さん作品の魅力の一つでもあり、鈴木さんが持つ人との繋がりや時間に対するボーダレスな感覚と似たものを感じます。そして、物として目に見える存在感とコンセプトにある「思い出」という目に見えない存在とが相まって、懐かしくも新しい感覚にさせてくれます。
今回の展示では、作品展示だけではなくグッズも販売しています。鈴木さんのコンセプトにもある「人々の様々な人生」を繋ぎ合わせてくれるようなポップなデザインが魅力的です。どの作品も透明感溢れる色彩が美しく、コンセプトも深い内容となっていますので、ご自身の思い出も振り返りながら鑑賞していただきたい展示会です。
スペース詳細▽
[ WEST 1-D ]
Staff Chi
