清水梨沙/田附絵美子
『つれつれ展』
2019.1.26-2019.1.28
at WEST 2-E
学生時代の同級生二人による絵画の展示。
一方は具象、もう一方は抽象と全く異なる個性を持ちつつも、作品が一つの空間で呼応し合っています。
同じ美術系大学に通っていたという清水梨沙さんと田附絵美子さんのお二人ですが、こういった形での2人展は初めてとのこと。扱うテーマは違いますが、色彩のトーンや作品の待とう静けさなど、ベースの部分ではどこか通じる部分があります。
田附さんは植物をモチーフとした平面作品を中心に展示。
油彩画がメインですがここではペン画を取り上げます。
点描で表現される線やシャドウが精緻で近くで見たり離れて見たりすると、さまざまな表情が見えてきます。
油彩で描かれた"Fruits tree"のシリーズを立体で表現した作品。
実際の絵と見比べてみると、2Dをそのまま3D化したものと一目でわかるほど、色や形の再現度が高い作品。
かつ平面作品は遠近感がフラットに描かれているので、立体作品になったときの新鮮さがあります。
スペースをちょうど半分ずつ分け合うように展示をされている清水さんの作品。
清水さんは主に抽象画を制作しており、本展においても全ての作品が抽象作品です。
それもほぼすべてが同様のコンポジション。そのため色彩により一つひとつの作品を描き分けています。
学生時代より取り組んできた抽象画の作品制作の上で、とくにインスピレーションを受けたのがアメリカ抽象表現のミニマルアートを代表する作家、アグネス・マーティンなのだそう。
フリーハンドで丁寧に水平線を描き独自の表現を提示した彼女同様、清水さんに現れる線もフリーハンドにより描かれています。
色彩により差別化されたそれぞれの作品には、自身の作品を俯瞰して眺めたときに連想したモノがタイトルとして付されています。同じ感覚を共有する人もいればそうでないひとももちろんいるかもしれませんが、それもまた抽象画の良さだという話をしてくれました。
こうやって展示全体を見渡してみると、なんとなくこの二人が同じ空間で展示をしている意義が見ててくる気がしました。
展示は明日までの開催となりますので、興味のある方はぜひお越しください。
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清水梨沙
線や色の持つ存在感、人の意識を引きつける誘目性に興味があります。リズムや波長の様な目に見えない、しかし感覚として捉えられるモノに付いて考えながら色鉛筆や油彩など様々技法で制作してます。
https://www.instagram.com/shimi1750/
田附絵美子
植物をモチーフに油彩画を制作しています。ドニ派の画家の作品に影響を受けつつ独自の形を模索しています。今回は平面作品以外の、ペン画や立体作品にも挑戦しました。
https://www.instagram.com/tazutazuemi/
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