竹内遥世/德竹香織
『ちくちく』
2017.10.8-2017.10.14
at WEST 2-D
ともにイラストレーター・グラフィックデザイナーとして活動する竹内遥世さんと德竹香織さんによる二人展、その名も「ちくちく」。
お察しの通り(?)、展示タイトルの『ちくちく』とはお二人の名前に共通する「たけ」からとったもの。同じ字を持つといえどしかし、作風はそれぞれ似ても似つかぬ独特の世界観があります。
こちらは竹内遥世さんの作品。人物ポートレートを中心に作品が展示されています。
何と言っても特徴的なのは眼光のない、空洞とも呼ぶべき目。
感情が読み取れず、瞼を閉じている方がかえって人間的な表情に見えてきます。
スケッチも同様に展示されています。
ひとつの作品として色がつき完成される前段階から、どこか不穏な雰囲気が漂っていますが、それでも不思議と見入ってしまう。
表情が読み取れない空虚な瞳に少し怖さを感じるかもしれませんが、逆に言えば「虚」となった器にはいかなる感情も生まれ得るということ。感情に色があるとすればこれは無色透明で、色のない状態。もしかしたら純粋性を極限にまで突き詰めた表現なのでは?と感じました。
by 德竹 香織
対面はもう一方、德竹香織さんの作品が並びます。
一転してパステル調の色彩が目に飛び込んできます。
德竹 香織『海辺の友人』
友人をモデルに描いたという作品。
女性が佇んでいるのは海辺ですが、「彼女の世界が常に自身を尊重したものであり、決して侵されることのないように」と、海をはじめ現実の色とは違う配色にして描いたのだそう。
当たり前のことかもしれませんが、私たちが見ている色、その明暗や濃淡は見る人によって違います。海の色ひとつとっても、青なのか藍なのか、はたまたエメラルドグリーンなのか、描き方は作家の数だけある中で、非現実的な色を用いることで不可侵な世界を絵の中に作り上げています。
物販スペースもそれぞれ持ち寄ったものが部屋の中央に設置してあります。
決して広くないスペースをうまく使った展示空間だなーと感心しました。
展示作品はイラストレーションやドローイングですが、お二人共作のフォトブックもなかなか面白いのでぜひチェックしてみてください。展示は10/14(土)まで!
【使用スペース:WEST 2-D】
written by isaka