明治学院大学写真部
『明治学院大学写真部 卒展』
2017.2.28-2017.3.5
at EAST 201,202
展示冒頭のキャプションにキャパを引用する写真部はそう多くはないですよね。
EAST201、202では明治学院大学写真部の卒展が開催中。
卒業生は14名、その他在学生を合わせて30数名が参加する大規模な写真展です。
前回の卒展の記事はこちら。
明治学院大学写真部には夏に行われる夏展、そしてこの卒展の会場としてDFGを選んで頂いているのですが、参加者が総出となり丸一日時間を掛けて搬入・設置を行う姿が毎回印象に残っていました。
話を聞いてみるとかなりしっかりと展示構成を練っているのだとか。
会場入りをして参加者の作品が出揃うと作品コンセプト、構図や色味などを考慮して一つひとつ並び順とレイアウトを考え、展示空間を作り上げています。
そんな地道な努力の結果、時間を掛けているだけ合って30余名も参加しているにもかかわらず、一つの展示としてまとまりのある非常に完成された写真展となっております。
いきなり関係ない話をしてしまいますが、筆者が鑑賞した際の会場BGMがたまたまPredawnというアーティストの音楽で非常に心地よかったです。
そのPredawnのとある楽曲のMVに、ポラロイド風の写真のを繋ぎ合わせモーションピクチャーにしたものがあるのですが(気になる方こちらからどうぞ)、そんな偶然もあってMVとこの作品が不思議とリンクしました。
IMPOSSIBLE PROJECTによりポラロイドフィルムが再び身近なものになった昨今(それでもフィルムはちょっと高いけど)、部内にも3〜4人ほどの方がSX-70を使ってポラロイド写真を撮っているそうです。
展示の組み方、セレクトが上手だなぁと感心してしまった池上桃子さんの作品。
タイトルが『人々の記憶から漏れてしまった景色の集積』とあるのですが、とても象徴的な言葉だと思います。
これはブックで見てみたい。
と思ったところ、やはりありました。ブック。
ブックには撮影者の真摯な姿勢が表れている一節がありました。
人々の記憶から漏れてしまった景色はどこへ行ってしまうのか。
誰かが掬いあげなければそれが存在したことすら忘れられてしまう、非常に曖昧で不安定なものです。
誰かが美しいと思ってシャッターを切る。写真に残る。
記録することで記憶される。
この作品はそんな観測者にも似た視点で、俯瞰的に日常を捉えています。
・10・
-1000-
勝呂 亮伍
ナイトスナップってこう、ワクワクしますね。
風を切って夜を駆け抜ける感覚とか、刹那的なのに何倍にも濃密な時間の感覚とか。
多分この作品は、壁面にただ平行に作品を並べただけではそんな感覚はしなかったかもしれない。
ぐるっと輪を描くようなレイアウトが疾走感を演出しているように見えます。
残念ながらブックの制作は間に合わなかったそうなのですが、これはぜひブックで見てみたい作品です。
どの作品もしっかりとコンセプトがあって、表現したいものがあって、力の入った写真ばかりで大変見応えのある写真展です。
展示は3/5(日)まで開催中。
ぜひゆっくり時間をかけて鑑賞して下さい。
明治学院大学写真部
【出展スペース:EAST 201 202】
DF STAFF isaka