IMAGINE THE FOCUS
『ぼくらのいろは展』
会期:2017.2.3 - 2017.2.5
EAST : 102 SPACE
つくば市の学生10人による、「色」をテーマにした写真展。
ぼくらがあのとき見た色の名を、いろは順に。
太陽からの青い波長と、
ハロゲン灯の赤い波長。
自然光が差し込む会場ならではの光景の中で、
「色」がテーマの写真展。
白色の壁面は、まっさらなキャンバス地のように機能し、
様々な色で飾られた景色が映える。
写真の脇に添えられた、かるたを模したキャプション。
直立【直立する都市の玉響の色】(名詞)
1.あゆみを止めることのないヒトと都市の眺望、または、その色のこと
2.歩き、立ち止まる時間の経過
撮影:Bitoh Yasuhiro
たまゆら(玉響)の色、それは比喩であり、
直接的に波長を解析したわけではない。
勾玉同士が触れ合うことで発生する微弱な音に、
撮影者は何かの色を見出した。
それは建築物に付着した塗料の色かもしれないし、
その街に偶然立ち寄った誰かの衣類の色かもしれない。
れんぞく【連続する出発点の色】(名詞)
撮影:Yusuke Chiba
長時間露光により出現した、光の帯。
その帯にははじまりとおわりがあり、
間がある。
帯の形状や明暗は、開放時間に左右されることから、
時間から色を見出す、
というのは目のつけどころがおもしろいと思う。
わだつみ【綿津見と掬う色】(名詞)
撮影:U.Ezobafun
「小さな海を覗く時、反射した空の青がこちらに向かってくる様。
または、その色のこと。」
水面に達した電磁波は、特定の波長のみを返し、
それ以外を吸収してしまう。
そう、私たちは、反射した波長を見ている・捉えている。
この「反射」を「掬う」に置き換える試み、
色の捉え方がポジティブで、なんかいいなぁ。
ねそべる【寝そべる蒼玉色】(動詞)
撮影:Shiro
「薄曇りの空のような蒼みを含んだ鼠色のこと」
それは彼がまとった毛の色。
暗雲立ちこめるレベルまではいかないが、
しかし憂鬱さを引き出そうとする、冷たいイメージを持った色。
だが、ときには優しいと、心地良いと感じられるときもある。
繊細なバランスの上に成り立つ、誠に日本人らしい色彩感覚だと思う。
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『ぼくらのいろは展』
会期:2017.2.3 - 2017.2.5
EAST : 102 SPACE