学習院大学・学習院女子大学写真部
『引退展』
2017.2.13-2017.2.15
at EAST 301
学習院大学・学習院女子大学写真部の皆さんによる2団体合同の『引退展』。
引退という言葉に決して感傷的にはならず、それぞれ思い思いに残した写真が展示されています。
今回参加しているのは両校合わせて5名の部員さんたち、いずれも女性。
しかし展示されている作品は意外と渋い。
田代伊代菜さんは群馬県は伊香保温泉街の路地裏をモノクロで。
うらぶれた温泉街の路地裏というモチーフや切り取り方にセンスを感じます。
モノクロフィルムで撮影し暗室でプリントされた写真の質感もグッと来ますね。
田口佳代子さんは芦ノ湖浮かぶ遊覧船の運転手さんでしょうか、にこやかな表情を見事に捉えております。
窓からはたくさんの自然光が無機質な操作席の機材が瑞々しく輝かせていて情緒を感じさせます。
この写真もバライタ紙で焼かれていますね。プリントの腕も見事です。
こちらは上野や川越など古き良き景色の残る街を撮った小林志穂美さん。
いまとなってはこの写真のような風景の残る街並も少なくなってきましたね。
だからこそこうやって作品として残すということは非常に意義のあることなのだなあと、しみじみと考えてしまいます。
佐藤彩花さんによるスナップ写真もそんな面影が見える作品です。
平成以降に建てられた建造物って色彩が地味で無骨ものが多いような気がします。
この写真に写る街並は時間が止まったかのようにそこに佇んでいて、だけどそこにはたしかに人の営みが感じられてとても情緒的です。
普通に街を歩いているだけでは気付きにくい場所でも、カメラを片手に散策していると普段見えて来ないものが見えてきますよね。
この展示では参加者の皆さん誰もが、カメラを持ち街を歩く楽しさを知っていて、存分に謳歌しているようでした。
【展示スペース:EAST 301】
written by isaka