「重たい感覚」 |
セキネアユミ『ショウカ』
2016.6.6 - 2016.6.8
WEST : 1-A SPACE
カタカナで装飾された展示タイトル『ショウカ』
消化・昇華・消火
タイトルが定義する意味・意図は、
いったいどれほどの範囲を示すものであろうか。
「いとつむぎ」 |
セキネアユミさんが描いたモチーフは、
外見的特徴や印象からして、
会話を必要としていないのでは?と考える。
例えば本作は人物の首から上の部位のみ描かれている。
私たちが思うありふれた風景とはほど遠く、
しかし、モチーフからしたら身近な出来事であろう。
だから「なぜ」と語りかけるのは遠く、
その造形や佇まいに対して、純粋な投げかけを行おう。
「ループ」 |
土なのかコンクリートなのか、
「めり込む」と「流れる」の中間あたりかなと思う。
寝そべった体制を意識した頃には、
強く吹く風を見る。
さてループとはどのような形であろうか。
山手線みたいなものか?
運動場のトラックだろうか?
両方とも大まかなルートが示されているのには変わりないが、
少々アプローチに幅を持たせられているのが後者で、
それは似ているようで、結構自由度が高い。
「ことばの花たば」 |
ねじり縛った髪と首もとの赤いリボン。
モチーフが花たばに見立てられている。
本作を束ねるに大きく活躍したのは、
間違いなく、タイトル(言葉)
私たちが「言葉を必要としないものたち」に
触れるために、消化するために。
かといって、言葉で作品を捉える必要はない。
ほど遠い出来事だから、
自らの理解の範疇におさめるのは無理があるし、
勿体無い。
ジレンマをかかえたテーマ、作品であるように思う。
しかし、人間らしく、それが良い。
セキネアユミ『ショウカ』
2016.6.6 - 2016.6.8
WEST : 1-A SPACE