赤崎梨緒乃 『Unreal』 2016.3.25 - 2016.3.30 [ WEST 2-B]
武蔵野美術大学に通う赤崎さんによる、「非現実」の自画像展とは…?
美しき気味悪さ漂う作品展の様子をご紹介いたします。
スペースに入った瞬間、その部屋には不釣り合いと思えるくらい大きなキャンバスが
目につく。
ありのままではない、自分らしくない自画像を描いたという彼女。
リアルではないはずの中にあるリアル感と作品の中から、私たちのほうへ手を伸ばして
近寄ってくるかのようなグロテスク感は、気味悪さをも感じる。
普段の彼女ではないにしろ、赤崎梨緒乃の潜在意識化に潜む側面が現れているからこそ、
この現実ではないはずの現実味を感じてしまうのかもしれない。
自身ですらまだ自覚的に受け入れていない、彼女の一面を垣間見てしまったような
少し後ろめたい私的な空間に立たされる思いだが、そう思いつつもしっかり見てしまって
いる自分がいる。
そういった、作品の色の深みや美しさに潜む一種の背徳感的感覚をも楽しみながら
みて見てほしい展示である。
本当の彼女はたばこを吸わないのだろうか、彼女を知る人物にとってはその普段はとらない
であろう行動の違和感に何を感じるのだろうか。
ちょっと右上に目線を向ける構図が多い彼女の自画像。
その目線の先には何があるのか、とても気になります…
個人的にお気に入りの一枚。
盲目的な幸福感が漂う、しかしなんだか不穏なこの絵、人間の一面がよく表れているような
気がして好きです。
展示は明日3/30まで。ぜひ足をお運びください!
【使用スペース:2-B】
DF STAFF ASUKA