アイドルとはなんぞや? 『アイドル展 』 SPACE : WEST 2-B



吉田 沙江さん/ドルオタ歴8年 伊藤 琴音さん/ドルオタ歴8年
貝塚 菫さん/ドルオタ歴3〜4年 島津 愛美さん/ドルオタ歴3年
なかざわやすかさん/ドルオタ歴5年 松井 奈緒さん/ドルオタ歴5年

(ドルオタ=アイドルが好きなオタクのことを指す言葉)

六名の美大生兼ドルオタによる、
とんでもない展示が始まった。
『 アイドル展 』
自らがアイドルオタクである彼女たちが、
どこに惹かれ、どこに金を払っているのか!
それを見直し「アイドル」というマネジメントを見つめ直す!
という、本当に真面目な展示会である。







まずは展示会のDMを紹介しよう。
今回の展示会場は WEST館、2-B スペース。
ということで、WESTゲート 2階 B側 の席をあてがわれている。
このDMは入口でチケットもぎり兼出展作家様が半券をもぎり、
来場者数のカウントにも用いているという。
またデザインもとあるアイドルのコンサートチケットを参考に、
フォントの使い方なども細かく再現されてるのだとか。
もう、会場に入る前からすごい。




「アイドルの歴史」
アイドルの魅力を知るには、まずその背景から!
アイドルの歴史をポップでキュートな風船で手繰ってみませんか?


会場入り口から奥にかけて、ピンクと白の風船が綺麗に並んでいる。
風船には年代を示す数字が張り付けになり、
縛り口から垂れ下がる紐には、白いタグが取り付けられている。





1980年代の風船には、まず松田聖子のタグ。
タグの背面には、アイドル達の簡略化されたプロフィール、特徴が示されている。
名前だけは知っているアイドルもいれば、
若者だけに限らず、一般的に知られている著名人の名前も。

ただ、文字の羅列、年表化することも考えたとのことだが、
強くアイドルに興味を持たぬ人にも興味を抱かせるため、
このようなデザインを考えたとのこと。




「アイドルと仕事」
アイドルのメインともいえるコンサートとCDのお仕事の
アイドルじゃないところに"照明"を当ててみました。


上記の写真は「コンサート」のお仕事編。
今回、コンサート会場として仮定されたのは横浜アリーナ。
アイドルのコンサートとして広く使用されている会場として、
今回はこちらの会場を作品で取り扱うことになったのだとか。

付箋のように貼付けられたシートには、
その場所に居る人々の「役割」が書き記されている。
シートの色は「アイドル」を中心として、
仕事の役割の距離感が表現されている。
ファンの立ち位置はグリーン。





ファンにもいろいろなファンがいる。
「野鳥の会」はオペラグラスを多用するファン
「メモ魔」はアイドルの発言をとにかくメモするファン
「リア恋」はアイドルに本物の恋心を寄せているファン
とか、奥が深い、キャラクターとしての造形が深い。

また会場の外側でコンサートを支える人々もしっかりと描かれている。
彼らはこの日には直接活動をすることはなくても、
しっかりと、イベントを支えてくれている、ということ。

なんか良いなと思った。
それは一つ、ファンとしてのありがとう、みたいに。




「アイドルを買う。」

作る側からしても人間をパッケージ可した商品こそがアイドル、
なのではないか…!?


アイドルが居て、グッズがつくられる。
その逆輸入版とも言える作品。
これが吃驚することに、ここまで作り込むか?というクオリティの連続。

「このアイドルはこんなキャラ付けをして、こう売り出していこう!」
このイメージを触れて、見れる、具体的な形に落とし込んでいる。

また、これらの作品を制作する際には、勿論綿密な調査を行っているわけですが、
ネットや書籍にも未掲載、データ化されていない当時の生の印象は、
作家様がご両親にインタビューを行い、作品に反映されているのだとか。

熱心な作り込みに、お話を聞いている側も嬉しくなっちゃいましたよ。


 


例えば、森高千里はかの有名なビックリマンチョコっぽいお菓子に。
商品側のセレクトも当時の人気/時代を反映したモノであると同時に、
アイドルのキャラクター性を代弁してくれる商品をセレクトしている。

これらの商品は実際に触ることができるのだけど、
包装紙の質感、素材がもう本物瓜二つ。
当時、数量限定で本当に販売されていたんじゃないかって疑うくらい。




沢田研二をイメージした作品はこちらのブランデー。
商品には成分表示や賞味期限があるのだけど、
こんな所にもこだわりがあるのです。

生産地は、アイドルの出身地。
製造者は、アイドルの所属事務所。
原料は、アイドルの元気の源。

ロゴデザインもピンクとブルーのネオンサインだったり、
本当に隙のない商品、作品たち。

賞味期限という項目には、何も表記されていない商品もあったが、
「賞味期限は解散時に決まります」と言われた、なるほど。





商品の解説を受けている中で、
最も「やられた」と思ったのがこちら「モーニング娘。」

写真左側がパッケージの表面、
写真右側がパッケージの裏面。

題材となった商品は森永のペッツというお菓子。
小さなラムネをケース内におさめて、食べたいときに1粒ずつ取り出すもの。

パッケージの裏面、原料として表記されているのは、
現在在籍しているメンバーの名前一覧。
つまり、メンバーが加入、脱退をする際に原料が書き変わる。
またはラムネの1粒が出たり、入ったりする。

ラムネはあくまでラムネで、
そのラムネ達を包括、包装することでモーニング娘。になると。
もう、納得せざるを得ない、お見事。




ドルオタのバイブル
ドルオタ雑誌『$ブル(仮)』

ドルオタ電撃対談!?/ドルオタSNAP/どるぶるくん
教えて!$ぶる大調査!/ドルオタ名?迷?言集!!などなど


総ページ数30ページ越えの大ボリューム。
自分たちの意見だけを記述するのではなく、
インターネット上で行ったアンケート結果の発表など、
広くドルオタの意見を集めた一冊!(会場で読めます)

集まった意見のパワーは本当に凄まじく、
集計していた作家様ご本人もその熱い想いを受け取るのは
並大抵のことでは無かったとおっしゃってました。

と、ここまで作家様にお話を聞いていると、
気づけば一時間以上が経過。
この記事を書いている私は特にアイドルが好き!ってわけじゃありません。

そんな私でさえ、こんな私に対して、無理矢理ではなく、
自然と「アイドル」という存在、
そしてアイドルを取り巻く存在に興味を持たせてくれる作品/展示。

こんな展示会に出逢えて嬉しいです。
新しい興味を抱かせるって並大抵のことじゃないですから。

『アイドル展』これは興味の有無に関わらず、必見です。

約1年という月日をかけて作り上げられた濃厚な展示会。
どうぞ在廊される作家様との熱い話し合いもお楽しみください。


『アイドル展』
 2015.3.23 - 2015.3.29

(ぱんだ)