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田畑みなと/川田ことね [2015.1.26 - 2015.2.1]



「花屋兼大学生」田畑みなとさん
「建築学生」川田ことねさん

二人の作家による合同展。
WEST : ART POCKET にて開催中





田畑みなとさん


壁の基礎が一部剥き出しになったスペースに
お二方の作品/展示がとてもよく馴染む。

味気ない白色の壁を作品が彩る。




ティッシュペーパーの様に、
ラップのように、
あぶらとり紙のように、
"使い捨てる景色"たち。


白色に塗りつぶされたのはラップのケース。
同様に白色のティッシュケースやリボンを巻き取る台紙もある。
それらの中身は全て、プリントされた景色であり、

引き延ばし、消費されゆくものたち。




ご自由におもち下さいと添えられた、バラの花弁。
景色を構成していた一要素を
持ち帰ることができます。

辺りには使い終わったテープの芯やドライフラワー、
何時の日か膨らむことを期待する風船が並べられ。

装いは閉園後の遊園地に似ている。




川田ことねさん

テーマは「曲」
会場の構成要素は大きく分けて
写真とイラストの二つ。

一枚の写真をレタッチし、
計三パターンで出力された写真作品。

真っ赤な葉を眺めれば紅葉、
黄色の葉を眺めれば銀杏と、
元在る形は変わらないのに、
私たちの経験と記憶を突いては、
引っ張り出そうとする。




もう一つの要素は手描きのイラストである。
多くのイラストは流線型を描き、
音の波形をイメージさせる。

写真作品と同様に、
線同士の関連性と色の組み合わせにより、
ただの情報のはずの彼らは、
引っ張り出そうとする、経験と記憶を。

そして結びつけようとする。




そこに詳細なディティールが存在するわけでもないのに、
その一部のみを利用することで、
鑑賞者の内側、奥深くに切り込もうとする作品たち。

それは一部だからこそ、
可能なのかもしれない。


田畑みなと/川田ことね 
会期日:2015.1.26 - 2015.2.1

(ぱんだ)