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ナンダカ ハナガ カユイ 「いっぱい展」[WEST2-D,E:2014/3/25~3/31迄]

多摩美術大学油画科6名グループ、ナンダカ ハナガ カユイさん達による展示を開催中です。
ナンダカ ハナガ カユイというユニークなネーミングは子供の頃に見ていたものごとを大人になって見たり聞いたりしても受け取り方に違いが生まれる。
NHK教育テレビを大人になって見ても子供の頃とはやはり違うというコンセプトから、N→なんだか、H→はなが、K→かゆい と命名しました。



「いっぱい展」のDMはご飯茶わんにお米がもりつけてあるデザインです。
お米粒がいっぱい、ご飯茶わんがいっぱい等、一人一人の「いっぱい」をテーマに制作。

 「光がいっぱい」小板橋 央さんの作品。
トレーシングペーパーを8枚重ねて部分的にカットし濃淡を表現しています。沢山の光を透過させる事で画像が浮き上がって見えます。

「わ た し」片野愛理奈さんの作品。
自分以外の5名の表情を描き、作品と共にその人に対する想いを綴った手紙を展示。
手紙はあだ名で書かれている為、性別が分かりません。内容は個人同士でしか分からない思い出が綴られています。作品と手紙を照らし合わせて関係性を読み解く面白さがあります。
 
「はじめての欲求」矢作亮太さんの作品。ジェリービーンズがぎっしりと描かれた画面です。

伊藤桃子さんの作品。
変形パネルに描かれたモチーフ、曲線の支持体に呼応するようにフォルムが描かれています。

有田美憂さんの作品。
固定概念を打ち破る事をテーマとしています。
恋心の苦しみ、それをとめようとする人物、そのままで良いと肯定する人物、これらの人物は全て同一人物。一人の人間の中で色々な感情を同時に持ち合わせている事を示唆しています。

「それそれが」栗原由香さんの作品。
人間の皮膚をモチーフとしています。肌が荒れた皮膚。荒れたくて荒れてしまったわけではない皮膚。荒れた皮膚は人の悩みを象徴しています。
ひとつひとつ独立した作品ですが並べて展示すると一枚の画面として見えます。
一人一人の悩みは違っても、悩みを内包しながら生活しているという事を表現しています。

絵画の表面、油彩で描いていますが、ボンドを使用したり紙粘土をベースにしたり、建築模型用の素材と混ぜたり、皮膚の表情を豊かなマチエルで表そうとしています。

各自、明確なコンセプトを持って制作して入る為見ごたえのある展示です。
これから2年生になる彼ら、新たな技法実習を体験し各自の作品がどのように発展していくのかとても楽しみです。

DFG 上園