床一面に敷き詰められたのは
青い水の中に浮かぶ海月たちの写真。
WEST : 1-G にて、1日だけ
yukiyaさんによるイラスト/写真の展示会。
9点の写真は全て海月を撮影したもの。
撮影は水族館で行われました。
半透明な身体を持つ彼らは、
水槽を照らす照明や外部環境の影響を強く受け、
その外見を大きく変える。
青くなったり、オレンジ色に染まったり。
光を体内に蓄えて、
まるで夜の中で光を放つかのよう。
切り取られた情景を眺めることは、
撮影者yukiyaさんと同じ高さ、目線で対象に対面するということ。
じーっと見ていると、気付く。
その姿、存在に心奪われて
陶酔するかのように海月を眺める姿。
続いてご紹介するのはイラスト作品。
全ての作品はブルーを基調とし制作されています。
青の景色、青の生命。
用いられた水彩絵具は、
やはり水にまつわるモチーフを表現するに適していて。
画面前面に染み込んだ青い水分は、
イラストボードを小さな水槽にかえた。
その中でも画面左下に小さく描かれた海月。
画面の底、又はもっと底を目指して、
揺らいで、沈む、とてもフラットな心情で。
秋の季節を思わせる。
長く生えた草に挟まれ、佇む海月。
その姿はもう人に限りなく近い。
水中出来事かも知れないし、
地上の出来事かも知れない。
彼はどちらにも行き来出来る。
海月以外にもシャチやイルカといった動物もお好きで、
それぞれの動物を象った彩りも至る所にあった。
それら全ては「青い」色。
足元に敷き詰められた計60枚程の海月の写真と
その上をコーティングするビニールの匂いが合わさって、
私は夏の季節を思い返した。
室内にはご自身も参加されているバンドのメンバーが制作された
音楽がうっすらと流れていた。
波をバックグラウンドにした、終わりが不明瞭なBGM。
どこまでも続いていくような気がして、
多分それは多くの来場者が受け取ったのではないかと思う。
2013.9.29
1日限りの展示会。
(ぱんだ)