高校時代に父からフィルムカメラを譲り受けた事をきっかけに写真を始めた増田さん。
今回、廃校になり20年経った小学校で撮影された作品達が展示されています。
その場所に今も流れるゆったりとした時間が切り取られています。
そのまま残されている絵の具、埃を被ったピアノの鍵盤。廃墟をテーマとした作品は空間全体を撮影したものが多いですが、増田さんは廃墟の中に残された物達のディテールを撮影した作品が中心です。物に焦点を合わせると、まるで今も生徒達が残っているような空気を感じたそうです。
是非実際に足を運び、時を経たもの達だけが持つ佇まい、埃が積もった中に降り注ぐ光を体感して下さい。
展示室内には増田さんが過去に撮影した作品集もあります。
常に光と影のバランスを意識するという増田さん、その眼差しを過去の作品達からも捉えられます。
過去の写真集の中で印象的な一冊は子どもを被写体とした写真集です。人物を撮影する際は、人物との距離感を大切にしているそうです。特に子供を撮影する際は自然な表情が出るまで、対話したり一緒に遊ぶそうです。
子供の純真な表情を引き出せるのは、増田さんが穏やかな雰囲気を持ち子供達と対峙しているからなのだと感じました。
増田遼さんの過去から現在までの作品を辿れる作品展です。
DFスタッフ 上園