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UKA second season



長岡真子 南郷あい 藤原ゆかり
女性作家三人による展示会 " UKA "
( 絵画,立体,イラスト,グラフィック,インスタレーション )

EAST : 302 にて開催中




南郷あい
単位変化 / Unit change


縦4×横4のユニットにより構成されている。
今作品は、アクリル板と樹脂を素材としており、
照明の光は、私たちの視線は作品を突き抜けて、
壁にまで到達することになる。



毎回彼女の作品を拝見しつつ感心する、
コンセプトの明瞭さ、強度、独自性、美的意識
また、大変女性らしい作品であるということ。

今展示会では計三作品展示されていますが、
その一つ一つが作品のテーマを複数の方向から支える骨子であります。
正面/横/下 など複数方向からの鑑賞にも耐えうる 、敵無し。



作品の景観だけでも飽きぬ美しさがあり、
つい頭を空にして注視してしまうが。
その美しさを成立させる理論にも、
目を向け、触れて欲しい一作。


藤原ゆかり
HO1

文字、記号が生み出す意味と効果に
私たちは日常的に縛られている。

今回、藤原さんは大きく広げた生地に
途方も無く長い、般若心境を書き写した。




生地は両手を広げた状態で天井から吊るされている。

それは物理的な壁であり、境界線であり、
結界にもなり得るかもしれない。

文字/記号が持つ圧倒的な説得力(又は私達に刷り込まれたルールの影響力)が
一見するだけで、鑑賞者の脳と身体を束縛するのだ。




生地は所々切り裂かれ、向こう側が見え隠れする。

例えばこれが "結界" であるとしたら、
この裂け目からは閉じ込めるはずであった何かが
少しずつ溢れるのだろうと思う。

もしかしたら、一部が欠損するだけで、
般若心境の効果は無に帰するのかもしれない。

勿論、この結果がどう働くのかはこの瞬間には解らない。
見えないものを見ようとする試みだから。


長岡真子さんの作品

時間の流れを読み取る手法に
遊び心を組み込んだ長岡さんの作品。

計七点の時計作品の中から二点をご紹介致します。


ごちゃごちゃ時計
" ごちゃごちゃだけど、正しく時刻を伝えます "

まずはご覧下さい。
不安になるでしょう?
フォントもサイズも色も角度も異なる文字盤。

オレンジの短針、グリーンの長針から
おおまかな時刻を察することはできるけど!
やはり不安で、私も手元の腕時計を確認したところ…ぴったりでした。
グリーンの短針が指し示す " 18分 "

コツコツ鳴る秒針の音が、
「 ほら、合っているでしょう? 」

月周期 時計
" つき的にはひと月は29.5日 "

月の満ち欠け(新月から新月まで)の周期を
図にして置き換えて、時の流れを知る手段に。

スタイリッシュなデザインの文字盤を眺めていると、
現時刻よりも、本日の月の満ち欠けに興味を抱いてしまう。
勿論、当初の目的は「時間を知ること」なのだけど、
シームレスに全く異なる情報に興味を向かせるこの仕組みがお見事。

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今展示会は明日 7/15(月) が最終日となります。
ブログでは一部作品のみをご紹介しております為、
詳細は是非会場にてご覧頂きたい。

(ぱんだ)